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岐阜市民病院

院長は語る

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岐阜市民病院 院長
冨田 栄一

病院版ディズニーランド

 めまぐるしく変わる医療情勢の中で、大半の医療従事者は日々の対応に振り回されており、心に余裕がないと思われます。そして、『中長期的ビジョンの元にしっかりした経営戦略を立てて—– 』とわかっていても、マンパワー不足の中で、変化に合わせていくのが困難になってきております。
一方、東京ディズニーランドは相変わらずの人気だと聞いておりますし、リピーターが多く、なぜかまた行きたくなる魅力があるようです。
私が尊敬する指導医(現在は開業医)が、患者さんのための大切な言葉として、優しさ、明るさ、気走り(先を読んで気遣うこと)、繊細さ、元気さ、の五つがある、と教えてくれました。そして、リピーターは6割が目安で、それを下回ると患者さんは減ってくる、とも言われました。なるほどと感心し、患者さんやご家族がまた来ようと思っていただける病院になることが、病院経営面でも最も大切なことである、と教えられました。
先日、当院での接遇講演会で,講師の谷厚志先生が、全国で最もクレームの多い企業は、東京ディズニーランドですよ、と教えてくれました。大変意外だったのですが、その代わりみんなで知恵を出してそのクレームをメリットに変えていく、という話しをされました。また、知人のディズニーリピーターに話しを聞いたところ、魅力としては、働く人の対応が優しい、対応が早い、また誕生日におめでとうと言ってくれる、などの小さな喜びがいっぱいある、とのことでした。
当院では、年間約500名の方が亡くなられます。多くはご遺族が悲しみを抑えて、「お世話になりました」とお礼を言って帰られます。そのように言っていただける背景には、主治医や担当看護師、その他職員のそれまでの努力があったと思います。時には寝食を忘れてお世話をさせていただいたり、しっかり傾聴させていただいたりの積み重ねの結果であると思います。
患者さんが仮に亡くなられても、またこの病院でお世話になりたい、と言っていただける病院、それが病院版ディズニーランドであり、それには何も特別なことをしなくても、日常診療の中でのちょっとした心がけの積み重ねが大切であると思います。そういう基本態度があれば、自然に患者さんのためのEBMを検索し、より確かな治療を心がけ、しっかりとインフォームド・コンセントを行うようになり、それが結局は医療の質の向上につながるように思います。
そのような病院を目指して努力していきたいと思っています。



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