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LINKED vol.20 タイアップ

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LINKED Vol.20:珪山会グループ(学校法人珪山学園・医療法人珪山会)

2016年1月15日 金曜日
表紙大次代の医療を担う多職種連携。珪山会の考える、 〈臨床+教育〉のアプローチ。     珪山会グループ(学校法人珪山学園・医療法人珪山会) <多職種連携>の必要性をいかに理解させるか。<生活への目線>をいかに育むか。専門教育機関と病院を有する法人グループとして、その強みを最大限に活かし挑戦する。 2025年問題を目前に控え、わが国では地域社会と医療の構造変革が進んでいる。そこにおいて、次代の医療従事者には、患者の生活を見つめ、多職種と連携し、多様な価値観、ニーズに対応できる力が求 [...]

LINKED Vol.20:珪山会グループ(学校法人珪山学園・医療法人珪山会)


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明日への挑戦者

次代の医療を担う多職種連携。
珪山会の考える、 〈臨床+教育〉のアプローチ。

 

 

珪山会グループ
(学校法人珪山学園・医療法人珪山会)


<多職種連携>の必要性をいかに理解させるか。
<生活への目線>をいかに育むか。
専門教育機関と病院を有する法人グループとして、
その強みを最大限に活かし挑戦する。

main

2025年問題を目前に控え、わが国では地域社会と医療の構造変革が進んでいる。
そこにおいて、次代の医療従事者には、患者の生活を見つめ、多職種と連携し、多様な価値観、ニーズに対応できる力が求められている。
学校法人と医療法人を有する珪山会グループでは、二つの法人の強みを活かし、次代に必要な医療従事者育成へのアプローチを進めている。

 

 

 

 

 

多職種合同の授業で<連携>を学ぶ。

 DSC01741学校法人珪山学園と医療法人珪山会では、平成27年5月20日、27日の二日間、連携教育のための合同授業を行った。対象は、看護・理学療法・言語聴覚療法・義肢装具の専門職をめざすおよそ140名の学生たちである。
 それまで各専門学校は個別に、医療法人珪山会の鵜飼リハビリテーション病院・鵜飼病院で、実践に即した形での実習や、教員が管理担当する患者に協力してもらい、臨床の現場を活かした教育を進めてきた。但し、専門学校間での交流はなく、多職種の学生たちが一堂に会し学ぶことは初めての試みである。
 合同授業の目的は、他の専門職が、症例に対してどのように考え、治療アプローチをするのかを理解すること。そのため、病院スタッフが実際の患者の治療経過を、ビデオ撮影、データ化するなど、時間をかけて提示症例として作り上げた。 
DSC01811 授業の中心は、提示症例に対するグループワークである。一日目は、多職種6〜7名でグループを作り、まずは自己紹介・職種紹介から始まった。職種紹介では、自分の領域の専門性を、他の職種にどう伝えるか、これが意外に難しいことを体感。その後は、提示症例に対して、他の職種がどのように捉え、分析したかを互いに教え合った。
 二日目は、症例について、専門職種内でどのように治療アプローチをするかの意見を統一。最終的には、各職種でまとめた意見を、多職種グループにて発表し、<問題点の整理><目標の設定><治療アプローチ>について、グループ内でディスカッションを重ねた。
 参加した学生たちは、「症例への注目ポイントが、職種によって違うことが印象的」「一人の患者さんの生活、人生を考えたとき、それぞれの職種の治療アプローチが、繋がっていることを知った」など、<連携>の重要性を強く受け止めるとともに、「就職前に体験できて良かった」「こうした授業を継続的に受けたい」といった声も上がるほど、学生たちからは高い評価を得た。

 

 

多職種が、一つの目標を持つ意味。

Plus顔写真1 合同授業の開催に向け、臨床の立場で主軸の一人として動いたのが、鵜飼リハビリテーション病院・リハビリテーション部の森田秋子部長(言語聴覚士)である。森田は平成26年に珪山会に入職。それまでは専門職として、また、教育者として、わが国では黎明期にあった<回復期リハビリテーション>のあり方、また、セラピストに必要な能力や多職種チームのあり方などの基礎づくりに深く関わってきた。
 森田は言う。「医療法人珪山会の鵜飼泰光理事長から<学校から病院まで、一貫した教育の実施>という方針を受けたとき、すぐに連携教育を行いたいと思いました。なぜなら、例えば脳に障害を受けると、運動障害・高次脳機能障害・言語障害などが生じ、それらが重なってADL(日常生活活動)に影響を与えます。その回復に向け、リハビリテーションを行いますが、セラピストや看護師がバラバラに治療アプローチをしては、患者さんの成果に結びつきません。障害を共通認識し、多職種が同じ目標を共有する。その上での治療アプローチが大切なのです」。それには、多職種が互いの存在(専門領域)を知り、ディスカッションを通して関係を作ることが必要。その第一歩として、看護副部長である猪川まゆみとともにPlus顔写真2、連携教育の合同授業を学校側に提案したのである。
 それを受けたのは、中部リハビリテーション専門学校・教務主任の村上忠洋(理学療法士)。森田の提案を受け、教育の立場から合同授業実施に尽力した。「医療提供の基本は、チームアプローチです。私たちもその重要性を意識した授業を進めていますが、どうしても専門領域に偏りがち。合同授業は、学生にとって、いろいろな視点から一人の患者さんをとらえる、良い機会になったと思います」。3校と病院と、日程調整や教員の要望の取りまとめには労を要した村上だが、「普段大人しい学生が、積極的に発言していたことが印象的でしたね」と微笑む。

 

 

<生活への目線>、その重要性。

_MG_0638 超高齢社会に突入しているわが国では、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達する2025年を目処に、高齢者を支える仕組みとして、地域包括ケアシステムづくりを進めている。これは、<医療・介護・予防・生活支援・住まい>の5つのサービスを、一体化して提供しようとするもの。中学校区を一つの単位とし、地域ごとに作り上げる構想だ。
 また一方で、医療においては、高齢化で急増する医療費を抑えるため、病院の病床の削減と平均在院日数の短縮化を図るとともに、在宅医療を拡充。病院での治療が終わった後は、自宅や在宅施設で、生活しながら療養するという、新たな医療体制づくりを進めている。
 こうした次代を見据えたとき、今後、医療従事者に求められるのは、<生活への目線>である。入院医療では、いずれの病期でも、患者の退院後の生活を見つめた治療を行う。在宅医療では、まさに生活の場で、患者一人ひとりの暮らしを支援。必要に応じて、適切に施設医療に繋ぐなど、生活の伴走者としての立ち位置が必要となる。
_MG_0788 そのときのキーワードは、<多職種連携>だ。医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士等々、さまざまな職種が繋がり、いかに一人の患者の生活を見つめるか。それは入院医療でも、在宅医療でも変わりはない。特に、病院から在宅に戻るとき、そして、在宅での多職種間、そこでの繋がりは患者に大きな影響を与える。介護領域との連携も必要となり、医療、介護を広く見渡したサービスの提供が肝となる。

 

 

地域を舞台に、核となる人材を育成。

Plus顔写真3 学生のなかには、医療法人珪山会の鵜飼リハビリテーション病院に就職する者もいる。だからこそ「病院での回復期治療だけではなく、生活への目線も学生のときから養うことが大切」と森田は言い、さらにこう続ける。「どの職種であっても、まずは医療的な知識を習得し、自立して専門領域のアプローチを行い、そしてその結果を評価できることです。その上で、患者さんの予後予測、つまり、患者さんが退院後の生活で、長期に亘りどうなるかを考える力が必要となります」。
 一方、村上は「今後、地域包括ケアが進めば、院内におけるチームアプローチ以上に、地域では所属の異なる専門職との連携が課題となり、その重要性がさらに増すと考えられます。自分の領域だけという局所的な目線ではなく、患者さんがどう生活していくかといった全体的な視点から多職種で考える力が必要です」と言う。
 そのための教育の一つとして、病院において森田は、猪川とともに<サブリーダー育成>を進めている。「医師以外の職種がサブリーダーを担います。サブリーダーは患者さんに関わる情報を統合し、多職種の目標を組み立てるための牽引役です。患者さんを全体的に見て、リハビリ内容や退院後の生活を見渡せる力が必要です。これは職種を問わず、入職2年目から進めています。その延長線上に、地域での多職種連携をリードし、患者さんの生活に寄り添う専門職のあり方が繋がってくると考えます」。
 教育と臨床とが一体となった教育の実施。それを提唱した鵜飼理事長はこう語る。「珪山会グループの特色は、専門学校と病院とがあることです。卒業生のなかには、他の医療機関に就職する人もいますが、そこでも<連携>は必要なはず。どこにいても、多職種連携の核となれる人材を育てたいですね。単に座学の成績が良い、専門領域だけ強いのではなく、地域包括ケア時代に向けて、患者さんやご家族、地域の医療・介護従事者を繋ぐ人材育成。これを今後もめざし、教育と臨床の一体化を強めたいと考えます」。

 

 


 

column

コラム

●合同授業は、3つの専門学校<日本聴能言語福祉学院(聴能言語学科、補聴言語学科、義肢装具学科)、中部リハビリテーション専門学校(理学療法学科)、中部看護専門学校(看護科)>の学生たちが、改めて自らの専門を見つめ直すきっかけにもなった。

●例えば、チームアプローチにおいて看護師の役割は大きいものの、看護学生にとって、リハビリでの看護師の役割が理解しづらいことも多い。実際、合同授業の一日目では、提示症例に対し、何を言えばいいのかわからず戸惑う看護学生も見られた。

●そこで、猪川看護副部長をはじめとする病院の師長たちは、二日目の同職種での話し合いの際、リハ看護とは何かを看護学生たちに説明する。<急性期とは違い、患者の生活への視点が大切であり、退院後の生活を見据えた看護が重要である>。その説明に刺激を受けた看護学生たちが、その後の多職種グループワークでは積極的に発言。有意義なディスカッションとなったのである。今後は専門学校と病院間で時間調整を図り、教育と臨床の一体化プログラムのさらなる充実を図っていく。

 

backstage

バックステージ

●超高齢少子時代を見つめて、社会のあり方、医療のあり方が大きく変わろうとしている。今後、医療従事者には、自らの専門性はもちろん、患者の生活への目線や他の職種との連携が大きく求められる。

●そうしたなかで、珪山会グループは学生のときから、<生活期><連携>の重要性を学ぶ機会を生み出し、通常ありがちな教育と臨床との乖離がない、一体化した人材育成に力を注いでいる。

●合同授業の成果に対して、森田は言う。「提示症例は50歳代の女性で子どもを持つ人でした。多職種グループワークでは、この患者さんが自宅に戻ったとき、障害を持ちつつ母親としての役割はどう果たせるか、という視点で検討したグループがありました。これはすばらしい。病気だけではなく、患者さんの生活への目線が確実に生まれたと思います」。

●合同授業はまだスタートしたばかりだが、今後は、珪山会の強みである、教育・臨床・在宅の全領域を最大限に活かせる教育を推し進めてほしい。

 


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