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LINKED Vol.23:江南厚生病院

2016年9月14日 水曜日
表紙大がんとともに生きる、そのしくみを創る。     宇根底亜希子(がん看護専門看護師)/江南厚生病院 がん相談支援センター がんの治療を受けながら社会生活を送れるように看護の力を繋いでいきたい。 がん看護専門看護師は、がん患者と家族を支えるとともに、その支援のしくみを創る、がん看護のスペシャリストである。江南厚生病院には、そんながん看護専門看護師が二名。一名は主に診断期・治療期を、一名が再発期・終末期を担当する。今回は、前者の役割を担う宇根底亜希子にスポットを当て、日々の活動を紹 [...]

LINKED Vol.23:江南厚生病院


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がんとともに生きる、
そのしくみを創る。

 

 

宇根底亜希子(がん看護専門看護師)/江南厚生病院 がん相談支援センター


がんの治療を受けながら
社会生活を送れるように
看護の力を繋いでいきたい。

mainがん看護専門看護師は、がん患者と家族を支えるとともに、その支援のしくみを創る、がん看護のスペシャリストである。
江南厚生病院には、そんながん看護専門看護師が二名。
一名は主に診断期・治療期を、一名が再発期・終末期を担当する。
今回は、前者の役割を担う宇根底亜希子にスポットを当て、日々の活動を紹介する。

 

 

 

 

 

がん患者と家族の声を受け止め、
専門看護師の知識と技術を最大限に活かし、
がん看護のしくみづくりに全力を注ぐ。

 Plus顔写真 宇根底亜希子がん看護専門看護師は、<がん相談支援センター>に所属し、がんの診断期・治療期の患者を担当する。同センターや<がん看護外来><外来化学療法センター><緩和ケアチーム>で、がん患者や家族が抱える、治療・療養上のさまざまな不安や悩み、疑問を聞き、アドバイス・情報提供などを通し、患者や家族とともに、がん闘病中の問題解決を図っていくのだ。
 その活動のなかで、宇根底が特に注力するのは、がん告知後における治療の意思決定支援である。「がんを告知されたら誰でも強い衝撃を受けます。その状態で、患者さんは、非常に多くの選択肢から、自分がどのような治療を受けるか、決めなければなりません。がんであることを受け止める、多様な治療内容や、治療による副作用を理解する。言葉でいうのは721018簡単ですが、ご本人にとっては、とても悩ましく苦しいことです。その患者さんを精神的・身体的に支えることは、看護師にとって重要な役割です」。
 ときには医師の示した治療方針の補足説明をしたり、患者の本当の思いを見極めたり。また、涙を流す患者の気持ちが落ち着くまで、そばでずっと見守ることもある。「患者さんが納得し、後悔なく治療に進むことができるよう、患者さんに寄り添います」(宇根底)。
 これらの活動を、宇根底は一人で行うわけではない。患者の状況により外来看護師、薬剤師をはじめ多職種を組み合わせ、相談を受けるようにするなど、外来における患者支援機能の全体を俯瞰した調整役も果たしている。
721007 また、治療中の看護ケアでは、標準化に力を注ぐ。「看護師は、治療を受ける患者さんの状況を正確に観察、評価し、医師や薬剤師などに情報提供することで、治療の調整を図っていきます。その観察や評価を、たとえ新人看護師でも等しくできるように、マニュアルの整備を進めています」。さらには、看護倫理勉強会や化学療法勉強会などの企画・準備・運営など、人材教育にも力を注ぐ宇根底である。

ボックス(シアワセ)

 

 

 

進化するがん治療により、がんとともに生きる時代へ。
だからこそ、がん看護において
病院が地域と繋がり、患者を支えることが必要。

721053 がん医療は大きな進化を続けている。病巣を切除する手術療法、放射線を照射しがんの成長を遅らせる、あるいは縮小させる放射線療法、抗がん剤を用いてがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する化学療法など、そのすべてが高度化し、近年では、がんを増殖させる分子の働きを妨げる分子標的治療が登場。併せて、副作用を低減する支持療法も格段に増えてきた。これらの治療を、がんの発生部位、種類、症状、進行度により組み合わせて行うことで、今日では、症状をコントロールしながら<がんとともに生きる>時代を迎えた。
 そうした背景をもとに、がん看護にも高度化が求められてきた。そしてそれに応えるべく誕生したのが、宇根底の持つ<がん看護専門看護師>資格。がんの看護技術と看護理論を体系的に学び、科学的根拠に基づいて、大局的な見地から、がん看護全体の質的向上を使命とする。前述の患者や家族への高度な看護ケアの提供や相談活動、看護師への教育・指導、医療チームのスタッフ間の意見調整など、さまざまな場面でのリーダー的存在である。
721087 その宇根底が見つめる次の一手は、<地域全体でのがん看護のしくみづくり>だ。「がんとともに生きる人を支えるために、地域のがん看護全体を繋げたいと思います。例えば、治療期・安定期でも精神的支援は必要であり、その看護ケアを、自宅近くの診療所で受けることができれば、患者さんの負担も減ります」。
 ではそれをどのように築くのか。宇根底は言う。「段階的アプローチが必要です。まずは診療所の医師との結びつき。何でも相談をしてもらえる関係を築きたい。その事例を通して、次には診療所の看護師と連携する。患者さんに関わる具体的な会話を進めていくことです。そして最終的には、診療所の看護師と合同勉強会を行い、学びの場を通して関係を強めていきたいと考えます」。
 病院と地域を繋ぎ、がんの看護力を、さらなる高みへと引き上げるために。宇根底は、地域の基幹病院のがん看護専門看護師という自らの使命を認識し、院内外での活動を広げつつ、前へ前へとその歩みを進めていこうとしている。

 

 

 


 

 

columnコラム

●江南厚生病院は平成20年に統合移転すると同時に、緩和ケア病棟(20床)を開設。がんに伴う苦痛を和らげることを専門とする看護師などが常駐し、がんに伴う身体的・精神的・社会的な苦痛の緩和を中心に取り組んでいる。

●同院の緩和ケア病棟では、残された日々をその人らしく過ごす終末期だけでなく、がんの治療期、再発・進行期など、どの段階においても、<心身の痛みの緩和>を必要とする患者を積極的に引き受けている。

●例えば、在宅療養中に、がんの痛みが強くなった場合など、ここでゆっくり療養して、痛みを癒し、再び日常生活への自信を取り戻して自宅に帰ることができる。また、在宅療養中の患者を介護している家族の休息を確保するためのレスパイト入院(1週間)も受け入れている。いわば<地域に開かれた緩和ケア病棟>として、がんとともに生きる人々とその家族を、末永く支えている。

 

backstage

バックステージ

がんとともに生きる時代、
それを支える看護のあり方。


●本文でも触れたように、「がんを患う=人生が終わる」という時代はすでに過去のものとなった。病気の進行度合いにもよるが、がんを患っても病気とうまく折り合いをつけながら、住みなれた我が家での暮らしを取り戻したり、周囲の理解を得て仕事復帰を果たすケースも少なくない。「がんとともに生き、働く」ことが当たり前になってきている。

●がん患者が日常生活を取り戻すには、治療という医学的なアプローチだけでなく、患者を精神的、社会的に支えるしくみが必要だ。今回取材した、江南厚生病院の取り組みは、まさにがん患者を全人的に支えていこうとするサポートである。納得のいく治療法の選択を支援し、治療を受け続けながら豊かな人生を送れるように、そして、仕事を持つ人は仕事を続けられるように、さまざまな角度から支援していく。今後、同院のがん患者サポート体制が、さらに充実していくことを切に期待する。

 

 


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