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石巻(3.11)からの手紙 その6

私たちは忘れない、3.11を。
東日本大震災に遭遇した一人の医療人から、地域医療への熱く、そして、冷静な眼が、
私たちが3.11の教訓から学ぶことの大切さを教えてくれる。

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 2011年3月11日の東日本大震災を今一度振り返ってみる。石巻赤十字病院は、震災5分後に災害対策本部を立ち上げ、直ちに救護活動に着手した。
 石巻赤十字病院は地域の中核病院であり、それぞれの医師はかなりの専門性をもっているのだが、ある意味では専門性を無視し、各医師を本部対応、トリアージ部門、軽度、中等度、高度医療部門、薬剤対応部門などに配置した。そしてそれぞれが非常によく機能してくれた。
 私は6年間医師試験委員を委嘱されたので、どのようなことを目指した試験を作問するかについて知っているが、国家試験は「臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能」を問うということになっている。国家試験に合格するということは、具有すべき知識と技能を持っているということになる。このような初期の刷り込みをいかに維持し、緊急や地域の要請に応えられるかが課題であろう。

飯沼一宇 氏
1967年東北大医学部卒。同講師、ハーバード医科大留学、東北大医学部助教授を経て同教授。1997-2003年厚生労働省医師試験委員。2005年東北大定年退職後、石巻赤十字病院院長。2011年3月東日本大震災に遭遇。石巻地域の唯一の中核病院として地域住民の救護、健康維持に尽力。2012年3月石巻赤十字病院退職。現在、震災で親を亡くした子どもを家庭的環境で育てる施設「子どもの村東北」理事長。

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