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 4人に1人が75歳以上になる2025年に向けて、この国は地域社会と医療提供の仕組みを大きく転換しつつある。
 地域社会においては、消費税増税により財源を確保し、社会保障を充実させた「地域包括ケアシステム」の実現を。医療においても、医療提供体制を見直すことで医療費を抑制し、地域全体で治し、支える、「地域完結型医療体制」の構築をめざしている。
国の描くビジョンがそのまま実現すれば、私たちみんなが安心して老後を迎えることができるだろう。
 だが、しかし、そのためには、わずか11年で、高齢者の住まいや支援サービスを整え、医療・介護・保健の一体化したサポート体制を構築しなくてはならない。
 はたして私たちは本当に、2025年に間に合うのだろうか。そんな思いで、2025年のとある町に暮らす高齢者の暮らしを描いてみた。まずは私たち自身が国のビジョンを理解し、11年後の自分と家族、そして地域のあるべき姿を考えてみることから始めたい。

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 2025年、地域包括ケアシステムが実現。
2025年の今、全国各地で地域包括ケアシステムが整備され、高齢者はみんな、住み慣れた町に生活の拠点を置いて、一人暮らしであっても日常生活に必要なサービスや医療・介護サービスを利用しながら、自立して暮らしている。
四阿(シア)ワセゾウさんが住んでいるのは、そんな支援サービスが行き届いた「ケア付きコミュニティ」の町である。

 


 

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 写真1-01ワセゾウさんの住まいは、自宅の一軒家。手すりや段差解消などの改修をして住みやすくなったが、ゆくゆくは医療・介護サービス付きの集合住宅に引っ越すのもいいかなと考えている。また、ワセゾウさんの周りには、有料老人ホーム(高齢者向けの生活施設)やケアハウス(経費老人ホーム)で暮らすお年寄りも多い。それぞれの経済状態に見合った住宅が確保されて、プライバシーや尊厳も守られているので、みんな安心して暮らしている。

 

 

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写真1-02一人暮らしのワセゾウさん、三度の食事は、近所の配食サービスを利用している。栄養バランスが良いし、なかなか美味しくて気に入っている。週に一度は、老人会の茶話会に出かけたり、町内会の人の見守り訪問もあるので、あまり孤独に感じることもない。また、近所に住む足腰が弱ったお年寄りは、ボランティアの人に買い物を頼んだり、車椅子での外出を手伝ってもらっている。

 

 

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写真1-03ワセゾウさんの健康を支えるのは、医療や看護、介護のスペシャリストたちである。右の紙面で紹介している「在宅医療」の他、介護ではヘルパーやデイサービス(日帰りで入浴などのサービスを提供)を利用している。また、一年に一度は健康診断を受け、町内の会館などで開かれる介護予防セミナーや健康体操教室にも参加している。町内のお年寄り仲間では、訪問リハビリテーションやデイケア(日帰りでリハビリテーションを提供)を利用している人も多い。

 

 

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 写真1-04市区町村にはそれぞれ、高齢者の生活や健康について相談できる「地域包括支援センター」がある。ワセゾウさんが最初にケアマネジャー(ケアプランを作成する介護支援専門員)を紹介してもらったのも、ここである。地域包括支援センターでは定期的に「地域ケア会議」を開催し、医療や介護に関わる多職種が集まって、高齢者一人ひとりに一体となったサポートを提供できるように話し合っている。

 

 

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写真1-05 地域包括ケア社会の基本には、「自助・互助・共助・公助」という考え方がある。ワセゾウさんが宅配弁当を自分で購入するのは「自助」、住民組織の見守り支援を受けるのは「互助」、介護保険などの社会保険制度を利用するのは「共助」、高齢者福祉事業などは「公助」である。少子高齢化や国の財政状況を考えれば、共助・公助の拡充は期待できない。今後ますます自助・互助の役割が大きくなるだろうと、ワセゾウさんは考えている。

 

一人ひとりの選択と心構えが大切。


さまざまな支援を受け、穏やかに暮らすワセゾウさんだが、まったく心配がないわけではない。一人暮らしで急に倒れて、そのまま誰にも気づかれなかっ たら…という恐怖感は常にあるし、遠方に住む息子や娘も心配している。しかし、そういうことも覚悟の上で、これからしばらくは今の生活を続けていくつもり だ。地域包括ケア社会のベースには、そんな本人・家族の選択と心構えが必要なのである。

 


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2025年、地域完結型医療体制が実現。
2025年の今、地域医療といえば、「地域完結型医療」が当たり前となった。二次医療圏(入院治療を主体とした一般の医療需要に対応する区域の単位)ごとに、重症な患者が入院する病院、回復期の患者が入院する病院、そして長期療養を受け持つ病院、診療所などがバランス良く整備され、互いに協力しながら、患者の症状に適した医療を提供している。

 


 

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写真2-01地域完結型医療のなかで、最も重症・重篤な患者に対応する三次救命救急センターを有するのが基幹病院。二次医療圏の最後の砦として、地域住民の命を守っている。病床の機能で説明すると、手厚い看護を行う高度急性期の病床であり、専門医が中心となって臓器別の高度な医療を提供し、早期退院へ導く。ワセゾウさんも、大きな手術をしたのに、わずか1週間程度で退院した。

 

 

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写真2-02中等症患者の救急に対応する病院。急性虫垂炎、肺炎、骨折など一般的な急性期の疾患や外傷、病院の得意分野によっては、高度な専門医療に対応する。昔は基幹病院に救急患者が集中して困っていたが、今では病院の役割分担が進み、救急患者の受け入れもスムーズである。複合疾患を併せ持つ場合でも、総合医が中心となって的確に対応してくれるので安心だ。

 

 

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写真2-03高度急性期病院や急性期病院を退院して、その後も継続的な入院治療が必要な場合は、「回復期リハビリテーション病床」や「地域包括ケア病床」を備えた中間的な病院に転院する。ワセゾウさんも高度急性期を脱した後、回復期リハビリテーション病床の病院に移り、リハビリテーションによって低下した身体機能を取り戻し、一方、少し心配だった糖尿病の治療は、地域包括ケア病床の病院で受け、安心して自宅へ戻ることができた。

 

 

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写真2-04複合疾患や重度の障害などがあり、密度の濃い医学的管理を必要とする場合、「療養病床」のある病院で療養する。療養病床は対象疾患がある程度限られており、ここでも在宅復帰をめざして積極的な退院支援が行われている。昔のように、治療以外の理由で退院が困難という患者の「社会的入院」は、もはや許されない時代なのである。

 

 

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写真2-052025年の今では、病院を退院後、安心して在宅療養ができるような医療体制が完備されている。「在宅療養支援診療所」や「在宅療養支援病院」などのかかりつけ医と訪問看護師が連携し、24時間サポートしてくれる仕組みが整い、病状が悪化した場合も、こうした在宅療養後方支援病床で受け入れてくれるので安心だ。ワセゾウさんも退院直後は不安だったので、しばらくの期間、訪問看護サービスを利用した。今は元気に暮らしているが、いよいよ最期というときになったら、「つき合いの長いかかりつけ医と訪問看護師に看取ってほしい」と考えている。

 

地域医療連携−−−地域があたかも一つの病院のように。


地域完結型医療を支えているのは「地域医療連携」である。高度急性期医療を提供する病院から、急性期、亜急性期、回復期、慢性期医療を担う病院、診療所まで、機能の異なる医療機関が協力して、地域で一つの病院のような機能を持ち、切れ目のない医療を提供している。病院と病院、病院と診療所は、患者を「紹介・逆紹介」し合いながら、高齢者が在宅で最期まで不安なく過ごせるように支えている。

 


 

2025年の安心な地域社会と地域医療の実現に向けて、
中日新聞とPROJECT LINKEDは
<広報>を切り口に挑戦します。

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 大きく変化する地域社会。自己改革を迫られる地域医療機関。
地域医療と生活者を繋ぐために、より正確な<今>を伝えます。

超高齢社会に対応する地域コミュニティの再生と、限られた資源を有効活用する地域医療の再編。2025年に向け、この国の社会や医療は大きく変わろうとしています。地域コミュニティの再生は、地域包括ケアシステムの開発をめざし、全国でいくつかのモデル事業が展開。一方、地域医療の再編は、具体的な姿が今年4月の診療報酬の改定により示され、すべての医療機関は何らかの選択を迫られています。私たち生活者は、その変化に対応する心構えと準備はできているでしょうか。これらは、私たちに大きく関わること。同時に、医療機関の自己改革の成否も、私たちの正しい理解と選択にかかっています。PROJECT LINKEDは、ご協力いただく医療機関とともに、地域医療の<今>を伝える仕組みづくりと、地域医療の<今>を解りやすく伝える情報発信に挑戦します。

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 地域医療の<今>を伝える仕組みを作り上げる。
生活者の皆さん、ご注目ください!

これからの社会では、生活者の選択と心構えが必要だとされています。でも、私たち生活者は、地域医療の<今>をどれだけ知らされてきたでしょうか。医療情報は、インターネットや雑誌、書籍などで氾濫しています。しかし、その信頼性は、すべてが高いとはいい難い。生活者は、知らない間に、いろいろなことが決まり、あとで不満を言いつつも、受け入れなければならない。本当は嫌だけど…。では、どうすればよいのでしょう? PROJECT LINKEDは、生活者自身が、まず知ることから始めることが必要と考えます。知って、考えて、納得の上で行動する。そのためには、正しい情報と、情報が容易に手に入る仕組みが必要。PROJECT LINKEDは、中日新聞LINKEDを軸に、新聞が持つ公共性と地域医療機関の広報機能にインターネットを融合させた、知るための新しい仕組みづくりに挑戦します。

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 個々の地域医療機関の<今>を発信し続ける。
医療従事者の皆さん、ご利用ください!

変わる医療において、すべての医療機関は、地域医療での自らの役割の明確化、そのための自己改革を迫られています。なかには、今までの自らを否定する、苦渋の選択が必要な医療機関もあるでしょう。その選択に対して、鍵を握るのは、生活者の理解と行動です。これまで医療機関は、生活者にどれだけ自らを語ってきたでしょうか? 正しいことをやっているのだから、結果はあとからついてくる。いえ、それでは、医療の変化のなかで生き残ることはできません。自らを語る。すなわち広報活動は、地域の生活者に自らを理解してもらい、行動に繋げるためのもの。病院経営では不可欠な能力であり、広報下手は病院を危うくします。PROJECT LINKEDは、各医療機関の機能と役割、そこでの努力を伝える媒体とグループウエアを開発し、医療機関とともに広報活動を組み立てます。

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 医療機関の広報力を高める仲間を増やしたい。
医療関連企業の皆さん、応援してください!

PROJECT LINKEDは、医療機関の広報活動を応援してくださる仲間を求めています。今日、医療機関の財源は逼迫し、加えて、自己改革のために投資を必要とする課題は目白押し。広報は必要であっても、その財源をどうするのか? そこで医療機関の足は止まります。医療は、経営母体に関係なく、すべからく<公>です。海外では、医療機関を助ける基金という仕組み、それを担う組織があります。でも、日本には存在しません。だからこそ、医療、あるいは地域生活に関わる企業の皆さんに、是非、医療機関の広報活動を応援してほしい。併せて、皆さんの会社・団体で、地域医療に対する新しい試みを紹介する媒体として、PROJECT LINKEDが開発した複合メディアをご利用ください。それは単なる広告ではなく広報。理解と納得に基づく生活者、医療機関との関係づくりに繋がります。

 

 


 

 

SPECIAL THANKS(編集協力)

「PROJECT LINKED」は、本活動にご協力をいただいている下記の医療機関とともに、運営しています。
(※医療機関名はあいうえお順です)

愛知医科大学病院
足助病院
渥美病院
安城更生病院
伊勢赤十字病院
稲沢市民病院
鵜飼リハビリテーション病院
大垣市民病院
岡崎市民病院
海南病院
春日井市民病院
刈谷豊田総合病院
岐阜県総合医療センター
岐阜県立多治見病院
岐阜市民病院
江南厚生病院
公立陶生病院
市立伊勢総合病院
総合犬山中央病院
総合大雄会病院
総合病院中津川市民病院
大同病院
知多厚生病院
中京病院
東海記念病院
豊川市民病院
トヨタ記念病院
豊田厚生病院
豊橋市民病院

名古屋医療センター
名古屋掖済会病院
名古屋大学医学部附属病院
名古屋第二赤十字病院
成田記念病院
西尾市民病院
はちや整形外科病院
半田市立半田病院
尾西病院
藤田保健衛生大学病院
松阪市民病院
松波総合病院
みよし市民病院
八千代病院

 

※読者の皆さまへ
<LINKED>は生活者と医療を繋ぐ情報紙。生活者と医療機関の新しい関係づくりへの貢献をめざし、中日新聞広告局広告開発部とPROJECT LINKED事務局・HIP(医療機関の広報企画専門会社)の共同編集にてお届けします。

企画制作:中日新聞広告局

編集:PROJECT LINKED事務局/有限会社エイチ・アイ・ピー

Senior Advisor/馬場武彦

Editor in Chief/黒江 仁
Associate editor/中島 英
Art Director/伊藤 孝
Copy Director/村島 旬
Planning Director/吉見昌之
Copywriter/森平洋子
Illustrator/にしわきコージ
Photographer/越野龍彦/加藤弘一/ランドスケープ
Editorial Staff/猪塚由衣/吉村尚展/佐藤さくら/伊藤研悠/村岡成陽
      /小塚京子
Design Staff/山口沙絵/大橋京悟
Web制作/GPS Co.,Ltd./Media Pro

 

 

 


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