1,044 views

human-main

「社会参加寿命」を支える医療のあり方

松尾先生
松尾清一 氏 

昭和56年名大医学部大学院修了後、名大医学部助手、講師を経て、平成16年から名大大学院腎臓内科学教授、同19年名大医学部附属病院病院長。同21年名大副総長。また、同年には公立病院等地域医療連携のための有識者会議の座長を務める。


 現在、地域医療は二次医療圏を軸に再編成が行われようとしています。それに伴い、それぞれの医療機関は、地域における自らの機能と役割を、明確化することが求められています。その今、私たちはあえて立ち止まり、近視眼的な発想ではなく、社会の望ましい未来像自体を考える必要があるのではないでしょうか。
 これから私たちが向かうのは、人口が減少する社会です。それは今までに体験したことの無い社会です。その社会が、活力を維持し続けていくためには、高齢者のあり方が鍵を握ります。科学技術や医学はさらに発展し、高齢者を取り巻く状況は大きく変わることでしょう。重要なのは、高齢者がいくつになっても社会活動に参加し、生き生きと働き続けられる。そのことによって、生き甲斐のある人生を全うできる社会を実現すること。すなわち、健康寿命という言葉がありますが、それを一歩進めた「社会参加寿命」を、どう延ばしていくかという視点です。
 そうした未来を見据え、そのために医療はどうあらねばならないかを考えると、求められる医療は、今ある枠組みとは違うものとなるでしょう。すなわち、価値観の転換と共有こそが、私たちに求められているのではないでしょうか。

1,044 views