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医学の進歩と利用する知恵

松尾先生
松尾清一 氏 

昭和56年名大医学部大学院修了後、名大医学部助手、講師を経て、平成16年から名大大学院腎臓内科学教授、同19年名大医学部附属病院病院長。同21年名大副総長。また、同年には公立病院等地域医療連携のための有識者会議の座長を務める。


 数十年先、我が国では20歳から65歳の現役世代と、65歳以上の高齢者世代との人口比率が、ほぼ1対1になり、人口の約半分が社会活動から遠のいてしまいます。そうした社会が、果たして活力ある社会といえるでしょうか。
 65歳といっても、昔と今とでは、精神的にも身体的にも随分異なります。何かの病気を抱えていても、さまざまな支援を受けて、社会で活き活きと働きたい、と思う人は多いのではないでしょうか。その力を得ることで、社会の活力が維持できると思います。
 それには何が必要かと考えたとき、二つの視点があります。一つは、医学や科学を進歩させること。一つは、進歩した成果を社会に取り入れ、みんなが等しく享受する方法を考えることです。
 制度や仕組みの見直しが必要なのは言うまでもありません。しかし何より大切なのは、みんなが目標となる将来像や価値観を共有し、そのうえで、利害に囚われることなく、現状を見直していく。その視点の高さではないでしょうか。
 高齢者が社会参加して幸せを実感しつつ、自立して生き続けることができる社会。私たちにとって未知の世界の創造ですが、今からみんなで知恵を絞り、取り組んでいくことが大切であると思います。

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