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「治す病院」「支える病院」の模索と、次なる地域の課題。

 今回は病病連携をテーマに、病気を「治す病院」と、生活を「支える病院」の連携のあり方と課題を探った。「治す病院」の一部は「支える病院」への機能転換を決断し、「支える病院」は限られた医療資源のなかで、どうすれば在宅療養の支援機能を強化できるか模索している。こうした病院の苦渋の選択や大胆な構造転換の努力は、「前提」があってはじめて成り立つものである。
 その前提とは、地域社会に、「地域包括ケアシステム」が動き出していることだ。すなわち、どの地域にも高齢者の住まいや支援サービスが整い、医療・介護・保健の一体化したサポート体制が確立していることが条件となる。その上で、地域にある病院群があたかも一つの病院のように連携し、患者を在宅へ戻してこそ、地域完結型医療は実現するのである。しかし今回、多くの病院取材を通じて聞こえてきたのは「退院した患者の受け皿ができていない」という深刻な現実だった。独居高齢者や貧困高齢者の増加、老老介護の問題、介護施設やマンパワーの不足など、問題は山積している。
 国は2025年を目標に「地域包括ケアシステム」の構築をめざしているが、地域社会の問題を解決しなくては「絵に描いた餅」に終わる。そのため、行政や医師会などを拠点とし、「地域包括ケアシステム」を実現するための実験的な取り組みが始まっている。次回は、そうした在宅医療の動きにスポットをあて、私たちが直面する課題や今後の方向性をレポートしたい。

 


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