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従来の幸せの価値観に囚われていませんか?

松尾先生
松尾清一 氏 

昭和56年名大医学部大学院修了後、名大医学部助手、講師を経て、平成16年から名大大学院腎臓内科学教授、同19年名大医学部附属病院院長。同21年名大副総長。また、同年には公立病院等地域医療連携のための有識者会議の座長を務める。


 今、私たちの国は、先が見えない重苦しさに満ちています。これから本当に安心して暮らしていけるのか?という不安感。それに対して、大丈夫という答えがどこからも聞こえない焦燥感を感じます。その重苦しさの意味を考えると、従来と同じ幸せの形を前提にしているからではないでしょうか。時代とともに幸せの価値観は変わりますが、今の私たちは、戦後から高度成長期の幸せに、引きずられているように思います。
 これまでの幸せが、これからも本当に幸せなのか? 高齢者中心の時代における幸せとは何か? 私たちは考え直す必要があります。各分野で、制度改革や新たな取り組みが行われていますが、それはいわば対症療法。過渡期にはそれも必要ですが、過渡期であることをみんなが認識し、パラダイム転換する。そして、広範な合意形成を果たすことが大切だと考えます。
 そして、描かれた未来を実現するために何をするか。また、現在の問題をどう解決するか。そこにはギャップが生じるでしょう。しかし、想定されるギャップにフォーカスして医学や科学の技術革新が起これば、その距離は埋まるはずです。換言すると、それを織り込んだ未来像を描くことです。新しい幸せの形としての社会を創り上げる。今こそ、その時だと考えます。

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