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生活を見つめ、
次代の回復期医療を創造する。

 

 

済衆館病院


患者と家族の新たな生活の構築。
職員も、環境も、そのために整えられている。

main

尾張中部医療圏は、小さな医療圏だ。高機能の大規模病院はない。
そのなかで、一世紀、地域とともに歩み続けてきた、済衆館病院。
同院のコンセプトは、地域住民の日日の<生活>を済い、守ること。
<回復期>の取り組みを通して、その視線の確かさを紹介したい。

 

 

 

 

 

リハビリスタッフの目線、看護師の目線、そして、多職種の目線。
その先にあるのは、患者と家族の生活。

Plus顔写真1 済衆館病院は、症状の経過時期に沿って必要な医療を、すべて整えた病院である。そのなかで、病状が安定に向かう<回復期>では、脳血管や運動器を傷めた人に、<生活>への適応をめざすリハビリを提供。その実際を、作業療法と看護から見ていきたい。
 川合真理子作業療法士は言う。「もう一度、自らのより良い人生を歩んでいただけるよう、リハビリを行っています。例えば作業療法は、衣服の着脱、排泄行動、家事など、日常の生活に密着した動作の獲得を図るもの。一つの動作を脳機能、身体機能、心理、環境など多方面から分析し、再びできるようにしていきます」。
 作業療法は、リハビリ室だけでなく病室で行うことも多い。「生活に近い病室の方が、早く習得できることもあります。患者さんには強く生活を意識し、段階を少しずつ上げた訓練を行っていただきます」(川合)。そのためにも、患者の自宅環境情報を早期に収集。「理学療法士や医療ソーシャルワーカーらとともに、家の中を実際に見て、残存能力にマッチした訓練に繋げたKX0A2834り、住環境の整備もご提案します。その際には、退院後に、転倒などで再入院ということにならないよう、安全な自宅生活の実現に、強い責任感を持ち臨んでいます」。
 一方、病棟の看護師もリハビリには大きく力を注ぐ。「患者さんは、リハビリで得た動作を、病棟で反復練習することが大切です。私たちはそれを支援しますが、過度に手を貸すのではなく、どうすればできるようになるかを考えることに、注力します」と、回復期リハビリ病棟科長・稲葉江里看護師は言う。また、患者の全身管理については、「リハビリができる状態かどうかの見極めが大切。常に患者さんの全身状態を観察・評価し、必要に応じ医師をはじめ、リハビリスタッフ、栄養士など多職種をコーディネイトし、患者さんに必要な治療環境を整えます」。
 近年では摂食嚥下(食べ物を口から飲み込む)機能の低下や、認知症を持つ高齢患者が増えてい0723済衆館病院¥KX0A0128る。「看護師を含めた摂食嚥下チームが食事の形態を変えたり、認知症サポートチームとともに、患者さんが落ち着き、安心して機能訓練を受け入れられるアプローチを図ります」(稲葉)。
 「どの職種も患者さんへの想いは同じです。自己研鑚を継続し、個々の専門性を結集して、チームの総力で、患者さんとご家族の新しい生活設計に努めます」(川合)。


ボックス(知ろう)1

 

 

 

病院から在宅中心へと、医療が大きく変わる今、
済衆館病院は、病期に沿ったすべての医療提供に注力する。

  0723済衆館病院¥KX0A0086超高齢社会を見つめ、今、わが国の医療提供体制は大きく転換しつつある。従来のように病院中心ではなく、在宅中心の医療。病院での急性期治療後は、在宅で療養しながら生活に戻るというものだ。だが、病気や怪我によって、また、高齢者は、すぐに在宅復帰が困難なケースがある。その場合は、回復期医療というワンクッションを経て、在宅に戻る流れとなる。
 回復期医療の目的は、<その人らしい生活に戻す>ことだ。鍵になるのは、回復期を担う病院が、どこまで患者とその家族の視点に立ち、新たな生活構築への支援を果たすかである。
 Plus顔写真2そうした医療の変化を見つめ、済衆館病院は平成28年3月西館を開設。回復期リハビリ病棟、緩和ケア病棟、リハビリセンター、デイケアなどを集約し、生活を支える拠点として位置づけた。
 リハビリテーション科の尾崎 猛科長は語る。「患者さんのなかには、他医療圏の基幹病院で急性期治療を受け、まだ医療依存度が高い状態の方もいらっしゃいますが、当院では、急性期機能の強みを活かし医学的な全身管理を行いつつ、回復期医療で生活に戻るための支援を行います。リハビリも、急性期から開始し回復期を経て、退院後もデイケアを提供。リハビリスタッフと看護師、そして、多職種がチームを組み、一人の患者さんに対してその総力を反映することで、患者さんが持っている身体機能を最大限活かし、日常生活に最適化できるよう、全力を注いでいます。職種が異なっても、私たち職員の胸にあるのは、<患者さん一人ひとりの愛の杖となる>、という当院の理0723済衆館病院¥KX0A0075念。患者さんが、喜びと希望のある生活を手に入れることができるよう、患者さんとともに歩みます」。
 済衆館病院は、この地域では中核となる病院であり、安心安全の拠り所となる医療提供が肝要だ。
 西館が完成した今、『済衆館病院があって良かった』と、地域の方々に言ってもらえる病院づくりに向け、職員たちの自己研鑽は続く。


ボックス(知ろう)2

 

column

コラム

●平成28年3月に開設した済衆館病院の西館。1階には、総面積900㎡のリハビリテーションセンターがある。床下空調できめ細かく室温管理し、年中、快適な環境を実現。すぐ外には庭園があり、退院して病院から外に出る一歩手前の練習も可能だ。

●同じく1階にはデイケアも開設。退院後は、医療保険から介護保険に切り換えることで、一定期間、継続してリハビリを受けることができる。

●3階には、回復期リハビリ病棟が配され、東館の同病棟と合わせ88床になった。病棟内は暖かい色調で、陽光もたっぷり入る設計。リハビリ室とともに、病棟での生活を活かしたリハビリが行われている。

●「地域の方々が、長くご自分の自宅で暮らせるよう、今後は病気や怪我、認知症などの予防といった面でも、リハビリ機能を充実させていきたいですね。それが私たちにできる地域貢献です」と、リハビリテーション科長の尾崎は語る。

 

backstage

バックステージ

地域全体を支援する病院。
揺るぎない根本姿勢を貫く。


●リハビリテーションの最初のリは、英文字でRe。<もう一度>という意味だ。病気や怪我を負った人が、再びその人らしく歩み出し、もう一度、生活を取り戻すことである。そこでの治療やケアは、リハビリスタッフだけで終始するものではない。多職種がチームとなり、回復期医療として、患者とその家族の社会復帰への道筋をつけていく。すなわち、回復期医療は、在宅への出発点。医療の中心が病院から在宅に移ろうとする今、患者と家族の生活を見つめての、<もう一度>という視点が不可欠であり、済衆館病院は、そこからすべてを組み立てている。これは、同院が、在宅療養後方支援病院(在宅で療養する患者が体調を崩す、緊急措置が必要なとき、24時間優先的に受け入れ、入院治療に対応する病院)として、地域全体を支援する病院であると自らを規定する、その根本姿勢を貫くものに他ならない。

 


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