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石巻(3.11)からの手紙 その4

私たちは忘れない、3.11を。
東日本大震災に遭遇した一人の医療人から、地域医療への熱く、そして、冷静な眼が、
私たちが3.11の教訓から学ぶことの大切さを教えてくれる。

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東日本大震災以来、さまざまなところで「絆」ということが叫ばれている。そしてこれを合言葉のように、多くの場面でそのプログラムが計画された。医療でいえば、医療連携ということがその具体的な行動として取り上げられている。具体的には同一施設内での多職種の連携、他施設との連携、そして社会との連携などが考えられよう。そのいずれも重要である。私のいる東北地方は、震災以前から医療過疎地域ともいわれ、そもそも医療資源、特に人的医療資源に乏しい地域であった。直接的にこれらを充足する手立てはすぐには見当たらない。人的、設備的な弱点を持ちながらこれに対応するには、わが国の誇る最新情報技術を活用するのが一つの手段であるのではないかと考えている。しかし、情報技術は人間的温かさに欠けるのが最大の問題点であろう。国民の叡智を結集して血の通った情報の交流を構築することが今重要なのではないかと思う。

飯沼一宇 氏
1967年東北大医学部卒。同講師、ハーバード医科大留学、東北大医学部助教授、同教授を経て、2005年石巻赤十字病院院長。2011年3月東日本大震災に遭遇。石巻地域唯一の中核病院として地域住民の救護、健康維持に尽力。2012年3月同病院退職。現在、震災で親を亡くした子どもを家庭的環境で育てる施設「子どもの村東北」理事長。

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