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A市画像脳梗塞を患い、わが町にある高度急性期病院で治療を受けました。10日ほど入院した後、この病院が連携する回復期リハビリテーション病院を紹介され、転院。私の病状は、リハビリの病院も把握してくれており、リハビリテーションもスムーズに開始。片麻痺の障害は残りつつも、自宅に帰ったところ、今度は、リハビリの病院が紹介してくれた、在宅の医療チームの手厚いサポートが始まりました。ここでも私の状態を知っていてくれたところを見ると、最初の病院からずっと繋がって情報を共有してくれていたと思います。持病で体調が悪くなったときは、在宅のチームが、地域包括ケア病棟を持つケアミックス病院に繋いでくれるので、今は安心して暮らしています。


B市画像脳梗塞を患い、わが町にある高度急性期病院で治療を受けましたが、わずか10日ほどで退院を迫られました。嫁いだ娘が、回復期リハビリテーション病院を探してくれて、転院しました。そこでは脳梗塞で倒れたときから、どういう治療を受けたのかを聞かれましたが、なかなか説明できず困りました。前の病院では紹介状を送ると言われたのに…。それでも何とかリハビリテーションを始めたんですが、少したったら、またここでも退院を求められたんです。だから今度もまた娘が四苦八苦して、訪問診療の先生や、訪問看護師さんを探してくれていますが、なかなか見つかりません。持病もあるのに、これから先、本当にどうすればよいのか不安です。

※A市B市は、地域医療構想策定の上で問題となっている部分を、典型的に表わすために設定した町です。

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見出し病床構成

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 2025年には、700万人を超える「団塊の世代」の人々が全員、75歳以上の後期高齢者になり、医療や介護に関わる費用が一気に増えると予測されています。
 では、後期高齢者とはどんな人でしょう。まず思い浮かぶのが、加齢による身体機能の衰えですね。75歳以上になれば、多くの人が足腰が弱まり、転倒しやすく、骨折のリスクも高まります。また、糖尿病、高血圧など複数の慢性疾患を抱えるようになり、認知症の発症率も上がります。
 このように、いくつもの疾患を抱える後期高齢者ですが、それらの疾患が重症化すると、当然、入院治療が必要になりますね。但し本文イラスト_1、ここで大きな問題が立ちはだかります。それは、これからは、複数の疾患を抱える高齢患者が爆発的に増えていくこと。それらの人々を、重症はともかく軽症でも以前のように病院で受け入れていたのでは、日本の医療財政が破綻の危機に陥ってしまう。さらに、少子化による医療従事者不足も大きな問題です。そのため、2025年に向けて、国が進めているのが、従来の「病院を中心にした医療体制」から「在宅を中心とした医療体制」への転換です。具体的には、「地域医療構想」と「地域包括ケアシステム」という二つの仕組みづくりが今、進行しているのです。皆さん、知ってましたか?


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 仕組みづくりの一つ目「地域医療構想」は、病院の自己改革を促す狙いがあります。まず、2025年の入院患者数と在宅療養患者数を推計します。それを基に、地域ごとに必要な病床(入院ベッド)の数が、4つの入院機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに定められます。それは、これまで急性期の病床が主で「治す医療」が中心だったのが、今後は身体機能が衰え、複数の慢性疾患を抱える高齢患者のために、急性期以外の病床を増やし、さらに在宅医療を充実させ、「治し支える医療」が中心になること。個々の病院には、自院の機能の再編が求められているのです。
 二つ目の「地域包括ケアシステム」は、高齢者が病本文イラスト_2気になっても、介護が必要になっても、安易に入院するのではなく、自立して暮らせるためのもの。「住まい・医療・介護・予防・生活支援」のサービスが一体的に提供され、住み慣れた地域で暮らせるような地域社会をつくろうとしています。
 二つの仕組みの関係は、地域医療構想で「病院から在宅へ」の流れをつくり、地域包括ケアシステムで、在宅で療養する人々を受け止めるというもの。ふだんは自宅で療養し、容態が悪くなったときだけ病院を利用する、そんな在宅中心の医療、社会の体制に変わりつつあります。


 小見出し3

 ここまで見てきた二つの仕組み(地域医療構想と地域包括ケアシステム)は、国の医療政策です。しかし、それを実施するのは、国ではなく地方自治体。地域医療構想は都道府県が主体となって策定し、地域包括ケアシステムは市町村が中心となって構築を進めています。もう少し細かく見ると、地域医療構想は二次医療圏(特殊な医療を除く入院治療を主体とした医療需要に対応するために設定された区域)を基本とした単位で構築され、地域包括ケアシステムは日常生活圏(具体的本文イラスト_3には中学校区)を単位に、医療・介護・福祉などのサービスネットワークが形成される計画です。つまり、地域ごとに決めていくということです。
 確かに、全国を見渡せば、医療・介護資源の充実した地域もあれば、医療・介護資源の不足した地域もあります。そうした地域ごとに異なる実情を見据えながら、それぞれの地域の自治体が旗振り役になり、自分たちに必要な医療・介護体制を整えていく。それが、これからの地域医療の体制づくりなのです。
 ではここで、冒頭のイラストをもう一度見比べてください。ずっと安心のA市と、不安でいっぱいのB市。地域の取り組み方によって、受けられる医療サービスの格差が、ここまで広がる可能性もあるのです。


 小見出し4

 同じ老後を過ごすなら、A市のような安心の地域に住みたいですよね。では、わが町がA市のようになるにはどうすればいいのか…。医療をはじめ、介護や福祉、住まいなど多分野の課題がありますが、ここでは医療に絞って考えてみましょう。
 まず、地域にある病院は、地域医療構想に沿って、自らの立ち位置を定め、医療機能や病床を再編していかなくてはなりません。例えば、これまで「治す医療」を中心にしていた病院でも、病床本文イラスト_4の一部を「治し支える医療」へと換えることも必要になります。その上で、自院だけでなく、地域の他の医療機関や在宅医療を担う人々と連携し、病院から在宅まで、切れ目のない医療サービスを提供できる体制づくりが求められます。
 在宅では、人材不足の解決が急務です。何しろ今まで病院中心の医療でしたから、医師、看護師などの大半は病院に勤務。在宅医療を担う人材は不足しています。では、その不足をどうやって補うか。一つの打開策として、地域で最も多くの人材を抱え、充実した医療機能を備えた病院が、積極的に在宅医療を支援する方法が考えられます。病院が診療所の医師や多職種と繋がり、その活動を支援することで、「ずっと安心」の仕組みづくりが進むのではないでしょうか。


 大切見出し

医療を受ける私たちが、
もっと地域医療に関心を持っていきましょう。

 2025年に向けて、地域医療がどのように変わっていくのか、私たちが知っておくとよいことをここまで見てきました。
 大まかにまとめると、2025年に向けて、病院中心から在宅中心の医療体制への大転換が進められていること。それを実現するには、地域の病院が他の医療機関や介護事業者と密に連携し、在宅療養する患者に、医療・介護サービスを提供できる仕組みを、つくっていく必要があることがわかりました。
 では、あなたの住む地域では、今、どの程度、新しい仕組みづくりは進んでいるでしょうか。知っていましたか?
 その具体的な動きは、実際には私たち生活者に見えにくく、自分や家族が病気をしない限り、実感できないのが実情です。かといって、無関心のままでは、わが町がB市のような状態に陥ってしまうかもしれません。
 ではどうしたら、それがわかるのでしょうか。私たち一人ひとりが、もっと地域医療の動きに関心を持つこと。そして、今、病院で起こっている変化を、我が事として見つめることではないかと思います。
 こうした視点に立ち、LINKEDは次号から紙面を大幅にリニューアル。医療の大きな変化に立ち向かう東海三県の病院の姿を、よりダイレクトに皆さんにご紹介していきたいと考えています。読者の皆さんと一緒に、LINKED編集部も病院の「今」を学び、わかりやすく伝えていきます。どうぞご期待ください。


 リニューアル告知

 

 

HEYE

名大総長 松尾清一/
未来の設計図を。

元厚生労働副大臣 大塚耕平/
「医療・介護難民」を出さない社会づくり。

EEYE

医療を受ける私たちが、
もっと地域医療に関心を持っていきましょう。

 


SPECIAL THANKS(編集協力)

「PROJECT LINKED」は、本活動にご協力をいただいている下記の医療機関とともに、運営しています。
(※医療機関名はあいうえお順です)

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稲沢厚生病院
稲沢市民病院
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大垣市民病院
岡崎市民病院
尾張温泉かにえ病院
海南病院
春日井市民病院
可児とうのう病院
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岐阜県立多治見病院
岐阜市民病院
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杏嶺会
(尾西記念病院・
上林記念病院)
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公立陶生病院
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小林記念病院
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市立伊勢総合病院
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西部医療センター)
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※読者の皆さまへ
<LINKED>は生活者と医療を繋ぐ情報紙。生活者と医療機関の新しい関係づくりへの貢献をめざし、中日新聞広告局広告開発部とPROJECT LINKED事務局・HIP(医療機関の広報企画専門会社)の共同編集にてお届けします。

企画制作 中日新聞広告局

編集 PROJECT LINKED事務局/有限会社エイチ・アイ・ピー

Senior Advisor/馬場武彦 
Editor in Chief/黒江 仁
Associate Editor/中島 英
Art Director/伊藤 孝
Planning Director/吉見昌之
Copywriter/森平洋子
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      /上田翔太/安藤十三恵/小塚京子/平井基一
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Web制作/G・P・S/Media Pro

 

 

 


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