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病院総合医。その本来の必要性を見失わず、地域の病院が連携して育てる。

愛知県豊田市北東部に、足助病院がある。高齢化率は40%に迫り、日本の医療が抱える問題点が集約された地域。ここで起こることは、やがて他の地域でも起こるであろう、少子高齢社会の医療における先進モデル地域だ。この地域で、地域コミュニティの拠点づくりに挑む同院の早川富博院長は、「ここでは、たとえば内視鏡だけできる先生は、カンナだけ引ける大工さんのようなもので通用しない。そんな大工さんは存在しないでしょう」と笑う。「当院に一生勤める覚悟はいりません。数年間単位で勤務し、総合医療を学び、地域に貢献してほしいですね。現在、初期研修医の方には来ていただいていますが、大学や基幹病院に働きかけて、後期研修医の方にも来てもらえるようにしたい。そうなれば、屋根瓦式の教育ができると思うのです」と、医師の派遣に期待を寄せる。
 足助病院のような医療過疎地の病院も含めて、地域の病院が連携して医師を育てていく。しかも、総合医療マインドを持った医師を育てていくことは、これからの社会に必須の取り組みである。但し、地域医療再編の動きが、高齢社会のピークを目前にして、ヒト・モノ・カネの不足により、効率性の追求へと向かっているなか、病院総合医を、単に使い勝手の良い医師という位置づけに終わらせてはならない。病院、専門医、そして、私たち生活者は、病院総合医の幅広い診断能力、マネジメント能力を、自分たちにとっての本当の必要性に沿って、理解することが大切だ。

 


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