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電子カルテ入力を代行するメディカル・トランスクライバーが、
明日の医療環境を変えていく。

明日への挑戦者 / ハニーバリー株式会社 
メデリカル・トランスクライバー(MT)の場合

電子カルテの普及とともに、医師は入力作業に追われ、
患者と向き合う時間が減ったという声が聞かれる。
そんな医療現場の課題に立ち向かうのが、
ハニーバリーのメディカル・トランスクライバー養成システムである。
医療現場のIT化をプロフェッショナルな技能でサポートするMTの活躍を追った。

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Episode 01 /

医師の口から次々と飛び出す専門用語を
細大漏らさず入力していく。

001-2.jpg 「ほかの病院を受診したとき、症状をいろいろ訴えても、先生は電子カルテに入力するのに一生懸命で…。ずっと目線が合わず、不安に思いました」。そう語るのは、はちや整形外科病院のメディカル・トランスクライバー(以下、MTと略す)、北川美沙子である。「患者の立場になると、医師が目を見て話してくれるってすごく大事だなぁって…。改めて、私が一生懸命やっている仕事は患者さんの役に立っていると実感しました」。
 ハニーバリーは、愛知県にある医療法人蜂友会の関連企業。整形外科の職員自らが使い勝手にこだわって開発した独自の電子カルテ「ハニカム」の販売や、MTの人材養成サービスを行っている。北川は、はちや整形外科病院の職員としてハニーバリーのMT研修プログラムを受け、現在も研修を続けながら、マニュアルに基づき業務を行っている。まもなく1年半。ようやく一人で業務をこなせる自信がついてきた。
 MTとは、医師の診察中に、その傍らで電子カルテに代行入力するスタッフである。入力業務の合間に、紹介状や回答書、診断書などの書類作成もこなす。医師の口からポンポン飛び出す専門用語を正確に聞き取り、理解し、リアルタイムで入力するには、豊富な専門知識やパソコンの操作能力、会話の要約力が必要となる。
 北川も、同期で新卒入職した他3人のMTも畑違いの学部から入ってきた者ばかりだが、わずか1カ月の研修で整形外科の基礎知識を徹底的に頭へ叩き込んだ。「最初にテキストをいただき、“これを勉強してください”と。解剖や治療方法など、初めて聞く言葉ばかりで、覚えることが多く大変でした」と、桃原 薫は振り返る。その後も週に1度の勉強会、数カ月に1度のテストが行われ、学習レベルを確認しながら知識量を増やしてきた。0003.jpgテストでは、レントゲンを撮る方向、傷病に対して処方する薬やリハビリテーションの内容など細かいところまで出題される。「7〜8割の正解率が求められますから、かなり勉強しなくてはなりません」と、長谷部葉月は苦笑する。しかも、ただ単に言葉を覚えればいいわけではない。「先生が患者さんに対して話す内容を自分のなかで一度理解しないと入力できません。求められる知識レベルは高く、独り立ちするのに誰でも1年弱はかかりますね」。


Episode 02 /

医師の指示を病院各所に届ける、
情報伝達の「要」を担う。

 現在、15名のMTが活躍する、はちや整形外科病院。同院では、医師一人が複数の診察室を担当し、行ったり来たりしながら患者の診療に追われている。医師が席を外している間に、MTは聞き取った診察内容や処方・検査指示などを正確に入力し、必要に応じて書類も作成する。医師は煩わしい入力作業から解放されることで、より多くの患者を診て、より密度の濃い会話を交わしながら、一人ひとりをていねいに診察していくことができる。002.jpg実際、患者のなかには、「以前通っていた病院では、あまり話を聞いてもらえなかった。ここは先生が時間をかけてしっかりお話ししてくださる」と喜ぶ人が多いという。また、ここで導入されている電子カルテシステム「ハニカム」は現場の使い勝手に徹底的にこだわり、診療の記録と検査や投薬、リハビリテーションなどの指示を正確に、各部門に伝達する仕組みになっている。MTが入力した医師の指示は、リアルタイムに関連スタッフの手元へ届く。以前のように、医師が手書きした指示書を持ち運んだり、別の書類に転記する手間もなく、業務の効率化と病院全体で共有する情報の精度アップに貢献している。 山下香弥は、MTの業務を通じて、「情報を伝達する」という責任の重大性を痛切に感じるという。「たとえば、薬の処方については、1日の服用回数や日数などを細かく記入していきます。とくにリウマチの診療を担当するようになり、患者さんの命に関わる仕事をしているという意識を強く持つようになりました」。


Episode 03 /

ハードとソフトの両輪で
医療のIT化の問題を解決していく。

0003-2.jpg平成11年、厚生省(現・厚生労働省)から「診療録等の電子媒体による保存について」の通知が出されて、カルテ情報の電子保存が認められた。さらに、平成13年、「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」が策定され、電子カルテ・レセプト電算化などのIT化がいっそう加速されることになった。
 厚生労働省が旗振り役となって推進してきたIT化だが、他の産業界に比べるとまだまだ遅れているとも指摘される。その原因の一つに、本来、医師たちを支援するために導入したITが、業務の支障になっていることがある。とくに電子カルテでは、入力作業の煩雑さにより、診療時間自体は長くなるが、患者と向き合えなくなったり、 急ぐあまり記載内容が粗雑になったりするケースも報告される。また、電子カルテ自体の使いにくさもしばしば話題にのぼる。
 ハニーバリーの提案するITサービスは、これらの問題点を「ハードとソフトの両輪」で解決する。一方で、整形外科医療に最適化された電子カルテシステム「ハニカム」を開発し、もう一方で医師の入力業務を軽減するMTを育てている。この二つを同時に運用することで、院内のIT化を飛躍的に進化させているのである。「ハニカム」は常に改良を続けているが、その高度化にも医師やコ・メディカル、そしてMTの意見、要望が反映され、ますます臨床での使い勝手の良さが高まるという仕組みだ。
 実際、ある整形外科病院の理事長は、はちや整形外科病院で使われている電子カルテと、診察室でパソコンに向かうMTの働きぶりを見て、「こんな手法があったのか。うちもぜひ導入したい」と、感嘆の声をあげたという。


Episode 04 /

整形外科から他の診療科へ。
MTの活躍ステージが広がっていく。

0004.jpg 現在、はちや整形外科病院では、整形外科の外来部門だけでなく、さまざまな分野でMTの活用を進めている。
 MT経験6年目の墓越麻未は言う。「病棟で看護師の入力業務をサポートしたり、泌尿器科の診察業務も担当するなど、年々仕事が広がっていくのを感じています」。
 専門的な医療知識が問われるMT業務、別の診療科に配属されても応用は効くのだろうか。「泌尿器科を担当することになった際は、全く違う分野なので、疾患や治療法について一から勉強しました。整形外科では病名に対する治療法をある程度自分でも予測しながら作業できますが、泌尿器科はそういうわけにいかないところがむずかしいですね。ただ、入力業務そのものは同じなので、十分対応できます。今後、新しい診療科に配属されることになったとしても、ぜひチャレンジしていきたいと思います」。
 ハニーバリーのITシステムは、整形外科病院に特化したものではあるが、さらに他の診療科へと応用していくことができる。「これからはより広い視野で得意分野を広げながら、若手のトレーナーとなって、MTの仕事を発展させていきたい」と墓越は意欲を見せる。 MTは日本ではまだあまり知られていない、新しい専門職である。彼女たちはパイオニアとしての誇りを持ち、着実に医療環境を変えていこうとしている。


COLUMN /

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●メディカル・トランスクライバーという職種は、一般にはなじみが少ない。日本では主に、放射線科に所属し、医師の画像診断所見を文章に起こす事務補助スタッフを指すことが多い。しかし、アメリカではその活躍の場は広く、いずれ日本でもMTの普及が期待されている。

●電子カルテの導入が進む外来部門こそ、MTの本領が発揮できる舞台と言える。医師の傍らにMTを配置することで、医師が診療に専念できる環境を創造できるからだ。とくに近年は、病院勤務医の負担増大が問題視され、平成20年度の診療報酬改定で、地域の急性期医療を担う病院(特定機能病院を除く)において、医師の事務作業を補助する職員を配置している場合の評価も新設された。IT化時代に医師を支える強力なパートナーとして、MTの活躍ステージは今後さらに広がっていくだろう。


BACK STAGE /

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●医療はサービス業の一つとも言われる。患者が医師に期待するものは、不安を払拭し、わかりやすい説明と確かな治療を提供するところにある。しかし、電子カルテの導入により、医師が患者の顔を見て診察できなくなるとすれば、まさに本末転倒と言えるだろう。

●一般企業でIT 化を進める場合、業務の効率化や省力化に力点が置かれ、その先にあるコスト削減効果や競争力の向上などが期待される。しかし、医療現場でのIT 化は、必ずしも業務の効率化や事務コスト削減だを目的にすべきではない。もっとも大切なのは、医療の質を向上させることであり、患者の満足度を上げることではないだろうか。MT たちの果たす役割が、IT を活用した医療機関の進むべき道を指し示しているよう感じた。


ACCESS /

ハニーバリー株式会社
〒464-0821 名古屋市千種区末盛通2-4
TEL 052-757-4001
FAX 052-757-4001
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