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新病院は目的ではなく、
日々の診療の質を上げていくためのツール。

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Episode 01 /

地域が必要とする最高の医療のための〈器〉をめざす。


48-0079.jpg 新病院は高度専門医療の強化、地域救急医療の充実に重点を置き計画された。愛知医科大学病院は歴史的に内科的機能の強い病院だが、新病院の建設を機に外科的機能を強化。年間1万件以上の手術に対応できるよう手術室を12室から19室に増やし、うち1室は血管造影と手術が一緒にできるハイブリッド手術室とし、最近増加している血管内治療に対応する。手術後の医療の充実を図り、EICU(緊急治療室)、SICU(外科系集中治療室)、NICU(新生児特定集中治療室)など集中治療室系の病床を75床整え、PETやMRI、CTなどの画像診断機器や高精度放射線治療装置も最新のハイスペックを整備。高度専門医療の機能をより高めた。
 救急医療では、ドクターヘリを備える高度救命救急センターとして地域で中心的な役割を担うとともに、プライマリ・ケアセンターを開設。ここで救急患者をどの診療科で診るべきかを総合的に判断する初期診療を行い、これまで重症者が中心だった救急患者の受け入れを、軽症者から幅広くカバーしていく。
 病院の持つ機能をより効果的に発揮するため、院内の配置、動線設計にもこだわった。[血液内科、乳腺・内分泌外科と化学療法室]、[消化器内科、消化器外科と内視鏡センター]、[麻酔科と手術室、集中治療室]など、診療科と関連する検査室やセンターなどを近接配置。動線は移動距離の短縮を重視した垂直動線とし、移動には医療職員用、入院患者用、外来患者用と用途別エレベーターを活用する。医療職員と患者の動線を完全分離し、患者に対しては静かで落ち着いた空間を実現し、医療職員に対しては移動効率を上げるとともに、業務に集中できる環境を作り、能力を最大限に発揮できるよう配慮した。
 工事を開始した2011年に病院長に就任した野浪敏明は「大学病院として常に最先端を追求し、高いレベルの医療を提供していくことが重要です」と話す。新病院は、質の高い医療を提供していくための大切な〈器〉だ。

Episode 02 /

最高の医療を提供する〈器〉を、最新のシステムが支える。

48-0089.jpg 「電子カルテシステムはシンクライアント型の情報システムを導入する予定です」。最高の医療を提供するべく整えた器を最大限に機能させるには、最新のシステムが必要だ。シンクライアント型の情報システムでは、電子カルテの情報は、端末ではなく院内サーバーに保管される。それにより、データ紛失、流出を防ぎ安全性を高めることができる。使用端末を選ばないので、利用権限さえ持っていれば、ノートパソコン、タブレット端末など許可された端末でどこからでもアクセス可能。医師が自宅で患者の状況を把握したり、若い医師に指導医が遠隔から指示を出すことも可能になる。今年(2013年)5月から外来で稼働させ、病棟では紙カルテとの併用という形でスタッフの習熟を図る。その上で来年5月、新病院オープンと同時に完全移行する二段階方式で導入していく予定だ。これらの電子化された情報データは今後、地域医療機関との連携にも役立てたいと野浪病院長は語る。「一部の診療情報を地域の医療機関と共有することで、前方連携、後方連携、在宅医療なども含めた循環型の地域連携パスにも利用していければと考えています」。
 また、外来では、患者に待ち時間を有効に使ってもらうための新患者案内システム「NAVIT」を導入。待ち状況や検査予定などを文字と音と振動で知らせる電子カードで、診察まであと3人になると「診察室前に来てください」と知らせてくれるため、患者は診察室の前に釘づけになって待たずにすむ。これまで個別で行ってきた物流は、患者動線とぶつからないよう地下の総合物流センターから横軸で流す。中央材料部、薬剤部、SPD(物流管理システム)などをセンターに集約し、総合物流システムを構築する。給食システムはニュークックチルを取り入れ、計画的な生産で調理時間の平準化と業務の軽減化をめざす。
 こうした最新システム構築も、新病院設計の大きな柱の一つとなっている。

Episode 03 /

愛知医科大学病院の将来のために、新病院建設が不可欠。

48-0069.jpg 愛知医科大学病院の外来患者、入院患者数は年々増え、2011年度の1日平均外来患者数2050人、入院患者数732人となっている。手術件数も年間1万人に達しようとしており、今後、社会ニーズに対応していくには既存の器では限界だった。院内の長すぎる動線は職員の疲弊を招き患者にとっても使いにくい。手術室は稼働率が限界で、手術待ちの状態が続いていた。既存の紙カルテを電子カルテに移行する必要性、建物自体の耐震性の問題もあった。
 新病院計画が最初に立ち上がったのは2006年、新病院建設委員会が発足した。しかし、2008年のリーマンショックの影響を受け、新病院の建設を中断した。
 その後に就任した三宅養三理事長のもと「新病院建設は愛知医科大学病院の将来に不可欠」との判断が下され、建設費を捻出するために経営改革・改善が行われた。古い慣習は捨て、何が悪く何が良いのか、とにかくゼロから考える。徹底的にムダを洗い出すなか、紙カルテのままDPC(診断群分類別包括制度)に移行し、前年度並の収入を保証する調整係数を取れなくて赤字転落したなど、苦い事実も浮き彫りとなった。
 鋭いメスを入れたことで、経営は順調に回復し、不況の影響で建設費が下がったことも効を奏し、事業費の目処がついた。2010年、新病院建設の再開を決定。2011年7月、着工が実現した。


Episode 04 /

新病院において大切なのは〈安全〉の思想。

48-0021.jpg 2011年4月に病院長に就任した野浪は、前病院長から引き続き経営改革・改善に重点を置いた。経営企画室を作り8名の副院長を任命し、毎月何を改革し改善したか報告会を開きモチベーションを上げていった。「最も大切なのは日々の診療であり、その質を上げていくことです。新病院を作ることが目的ではなく、それを目標にすることで病院を活性化し、発展させていくことが重要だと考えます」。
 野浪病院長にとって〈新病院〉は一つの大きなテーマであり、成し遂げなければならないミッションだ。それを成し遂げた上で、新しい病院に必要なのは〈医療安全〉の思想だという。「一番大事なことは、職員が安心して安全に働ける環境であること。それが安全な医療の提供に繋がり、患者さんを守ることにも繋がります」。
 職員が、何の心配もなく自分の能力を伸ばしていける環境を作ることは、医療・医学の進歩への貢献という使命を担う大学病院の責務でもある。職員を疲弊から守り、訴訟などのリスクから守り、萎縮して新しいことへのチャレンジ精神を失ってしまうような状況を取り除く。それが大学病院としてあるべき人材育成の姿だ。
 新病院稼働まであと1年。野浪病院長は「大学病院として、高いレベルの医療を提供し、地域に貢献していきたい。そのためにまだ改革すべき点はある。常に改革をしようというモチベーションを保ち、先進医療にも力を入れていきたい。新病院開院に向け職員の心を一つにし、病院の活性化に繋げていければ…」と語る。


COLUMN /

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●愛知医科大学病院では、新病院の開院にあたり、複数の医療機関の患者診療情報を安全に連携させることのできる、富士通のITシステム「Human Bridge(ヒューマンブリッジ)」を導入する予定だ。診療情報の一部を地域の医療機関と共有することで、一人の患者に対する地域包括的な医療支援を可能にする。

●大学病院が最先端になることは、その情報が地域の医療機関にも還元され、活用されていくことにも繋がる。それを可能にするIT技術があり、愛知医科大学新病院の設計思想にも組み込まれている。愛知医科大学病院の機能を先端化させることはひとえに大学病院のためだけではない。先端の検査や診療のデータを地域医療機関に還元していくことで、地域の医療全体の底上げにも繋がっていく。

BACK STAGE /

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●大学病院は「診療」「教育」「研究」の3つの機能を持つ。なかでも近年は、患者本位の質の高い医療を担うことができる医師を、臨床教育のなかで育成していくことが求められている。プライマリ・ケアを中心とした医療現場を通し、基本知識、技術を学び、医師として広い視野を身につけた上で、将来、専門医として歩む。「診療」を軸にした教育・研究のあり方が重要視されている。

●野浪病院長は「卒前教育から卒後の初期・後期研修まで一環した教育システムを作りたい」と話す。臨床研修のある部分を研修医に担わせ、屋根瓦方式のような手法をとりながら教育を進めていきたいという。後期研修では各科の先進的な診療や研究を担ってもらい、さらにその上をめざせる仕組みを作る。医師育成における実習の飛躍的な充実が求められるなか、大学病院としての実施体制づくり、プログラム整備が必要だ。


ACCESS /

愛知医科大学病院
〒480-1195
愛知県長久手市岩作雁又1-1
TEL 0561-62-3311(代表)
http://www.aichi-med-u.ac.jp/hospital/


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