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若さと活気あふれる医療体制で、
年間約4万人の救急患者を受け入れる。

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Episode 01 /

広域から救急患者が集中する救命救急センター。


590258.jpg 安城更生病院の救命救急センターでは、昼夜を問わず頻繁に救急車のサイレンが鳴り響く。夜間は救急車だけでなく、ウォーク・イン(徒歩来院)の患者も多く、待合室は受診を待つ人でごった返す。救急外来では重症度にかかわらず、初期診療と必要な検査を行う。その上で専門治療は各診療科へ引き次ぐ「北米型ER(救命救急)システム」を確立し、あらゆる救急患者を365日24時間、受け入れている。
 救急車の搬送台数は1日平均24台、救急外来の受診者は110人にのぼる(平成23年度実績)。多様な症例に対応するため、平成22年には救命救急センターの拡張工事を行い、外来部のスペースを1・5倍に拡大した。それでも、次々と運び込まれる患者ですぐに処置室はいっぱいになる。毎朝、ベッドコントロールをして、空床を必死に確保している状況だ。
 どうして安城更生病院に、これほど救急患者が集中するのだろうか。その背景には、この地域がもともと病院数とりわけ病床数が圧倒的に少ないことが挙げられる。愛知県の計画する病床整備計画では、県全体が3355床の過剰であるのに対し、安城更生病院が位置する西三河南部西医療圏では、390床の不足となっている(平成24年3月31日現在)。このため、安城更生病院には近隣周辺都市からも多くの患者が搬送されてくる。

Episode 02 /

モチベーションの高さが救命救急の現場を動かしている。

エピソード3_2.jpg 「うちは最後の砦だから、どうしてもベッドが確保できない場合以外は断りません」と言うのは、救急科代表部長の田渕昭彦医師である。たえまない緊張感と激務を強いられる救命救急の現場は、働く職員にとって極めて過酷な環境下にある。にもかかわらず、救急医療にかける情熱は揺らぐことがない。その理由を、「一言で言えば、やる気のある若いスタッフが頑張っているから」と、田渕医師は語る。
 救急外来の専従医師は、昼間は3〜4名、夜間は5名。いずれも若い研修医が中心で、救急隊のホットラインも研修医が受け取る。若手が第一線で頑張り、上級医、指導医が目の行き届いた診療を行う体制だ。
 多くの症例が集まる救急外来は、若手が腕を磨く絶好の舞台。実践主義に徹した手厚い教育は、医学生の間で評判を呼び、有名市中病院が並ぶ東海地区にあって、安城更生病院は医学生の人気ランキングで常時1、2位をキープする研修病院になった。志の高い研修医が集まり、救急医療に全力を傾ける。その結果、医療の質が上がり、さらに研修医が集まってくる。マンパワーを引き寄せる好循環が、年間約4万人の救急患者への対応を実現させているのだ。
 また、医師のパートナーである看護師の質も極めて高い。救急外来専従の看護師は11名。それだけでなくICU(集中治療室)、CCU(冠動脈疾患集中治療室)の看護師も積極的にサポートする。「医師にとっては至れり尽くせり、と言っていいほど、看護師がテキパキ働いてくれます」と田渕医師は手放しで評価する。さらに、救急外来から患者を引き継ぐ各診療科のモチベーションも非常に高い。「大きな病院にありがちな診療科の壁はなく、どんなときでも協力のお願いに“NO”と言う医師はいないですね。むしろ手が空くと、自発的に救命救急センターへ手伝いにくる医師も多く、風通しがとてもいいんです」。若い医師たちが集まる現場はいつも明るく活気に満ちた空気が流れている。

Episode 03 /

新築移転から10年余りで劇的な進化を遂げた。


590218.jpg 「全診療科参加型」の理想的な救命救急体制を築いている安城更生病院。しかし、この体制は一朝一夕にできたわけではない。安城更生病院は平成14年、新築移転と同時に救命救急センターを発足させた。その立ち上げに尽力したのが、麻酔科医として赴任してきた田渕医師だった。麻酔科医というと麻酔をかけるのが仕事と思われがちだが、実際は患者の全身状態を管理する立場から、ICUや手術室の運営に大きく関わっている。
 田渕医師は当時を振り返る。「その頃は救急外来に専従の看護師が1名、研修医1名が待機するというお粗末な体制でした。各診療科もバラバラで、重症患者を病院全体で一元的に管理するという発想が全くありませんでした」。
 このままではいけない。一念発起した田渕医師は、まずはICUの勉強会を発足させ、看護師の教育に力を注いだ。同時に、各診療科の医師たちの協力を得るため対話を繰り返し、救命救急体制づくりに全精力を注いだ。「当初はなかなかうまく機能せず、ほとんど家に帰らず病院に寝泊まりしました。ようやく軌道にのりだしたのは、半年ほど経ってからで、徐々にさまざまな症例にも的確に対応できるようになりました」。医療の質は飛躍的に向上し、手術件数も年間500件のペースで増え続け、今や救急患者が4万人強に達するまでに成長した。
ここ10年余りで目を見張る進化を遂げた安城更生病院。その原動力となったものは、やはり「スタッフの士気の高さに尽きる」という。「医師や看護師だけでなく、当院はコメディカルスタッフの積極性も抜きん出ています。たとえば、検査部門が検査方法について医師にプレゼンテーションすることもあります。すべての職種が一丸となって、救急医療を後押ししていると感じています」。


Episode 04 /

三次・二次・一次救急を担う医療機関と互いに連携し、
地域の救急医療を守っていく。


1007.jpg マンパワーに恵まれた安城更生病院だが、常に危機感も持っている。地域にある救急病院の一つでも崩れれば、即座に救急医療が崩壊してしまうからだ。安城更生病院の近隣には岡崎市民病院、刈谷豊田総合病院といった救命救急センターが存在するが、各病院それぞれが年間約7000人の救急患者を受け入れている。「各病院の頑張りのおかげで当院はギリギリの状態ながら持ち堪えられています」と田渕医師は言う。地域医療を守るために、病院同士の連携は不可欠。そのため、安城更生病院の呼びかけで発足したのが、「西三河南部救急連携ネットワーク協議会」だ。ここでは西三河南部東西医療圏を担う二次、三次救急の医療機関と保健所・消防隊が集まり、密に情報を交換。互いに顔の見える関係を築き、円滑な救急医療体制づくりをめざしている。
 このような安城更生病院の取り組みに、地域の各機関も後押しをする。増え続ける一次救急医療の患者に対し、平成22年より安城市と地元医師会が協力して「休日夜間急病診療所」における平日夜間の定点診療を開始した。これにより、安城更生病院における救急搬送以外のウォーク・イン患者の総数が横ばい、減少傾向となっている。救急患者の一極集中を緩和し、軽症患者はできる限り一次救急医療施設へ。この体制をなんとしても維持するために、各機関が一体となって休日夜間急病診療所の運営をサポートしている。
 三次、二次、一次救急医療施設が互いに連携し、さらに地域の支えがあってこそ、地域の救急医療が守られる。安城更生病院はこれからも地域との連携を旗印に掲げ、救命救急センターの使命を果たしていこうとしている。

COLUMN /

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●北米型ER(Emergency Room)は、重症度にかかわらず救急患者の初期診療を救急外来で行い、各診療科へ振り分けるシステム。あらゆる患者を効率的に、しかも数多く受け入れられる利点がある。従来、日本の救急システムでは病院を一次救急(軽症)、二次救急(中等症)、三次救急(重症)に分類する体制をとってきたが、必ずしも現場のニーズに合致しないことから、昨今、ER型救急医療を実践する病院が増えている。

●安城更生病院もまた、従来の分類で言えば三次救急病院である。しかし、地域を見渡せば、一次、二次救急病院は少なく、三次救急だけに特化することはできない。そのためER型救急を確立し、幅広い救急患者に対応している。まさに地域の実情に即した柔軟な視点から確立された、地域のための救命救急センターと言えるだろう。

BACK STAGE /

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●安城更生病院は救命救急センターの発足以来、救急医療教育に力を注いできた。救命救急センターのスタッフが中心となり、心肺蘇生法や応急救護などの救命技術指導を行っているのだ。毎月開催するICLS(緊急心臓蘇生措置)講習会には、院内の全職種が参加。清掃や給食スタッフも受講する徹底ぶりで、職員の受講率は99%以上。ICLSインストラクターの資格を持つ看護師も約30名に及ぶ。

●さらに安城更生病院では近隣病院からも医師・看護師を積極的に受け入れ、ICLSのトレーニングを行い、インストラクターの育成を後押ししている。尊い命を救うためには、バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)の応急手当が非常に重要となる。いざというとき、速やかに応急手当できる人が一人でも多く増えること。これもまた、市民にとって救急医療の安心確保につながっている。


ACCESS /

愛知県厚生農業協同組合連合会
安城更生病院
〒446-8602 安城市安城町東広畔28番地
TEL 0566-75-2111
FAX 0566-76-4335
http://www.kosei.anjo.aichi.jp/top/index.cfmLinkIcon