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複数の自治体・広域医療圏をカバーする
地域医療福祉ネットワークの
構築に向けて。

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Episode 01 /

昭和38年の開院以来、社会貢献をモットーに掲げ地域医療に貢献。


260330.jpg「分権型社会」をめざす地方自治体の先進事例として注目を浴びるのが、トヨタ系企業のデンソー、豊田自動織機、アイシン精機などが本社を置く愛知県刈谷市である。平成22年4月には、近隣の高浜市、知立市、東浦町と、地域の自立・発展への連携を図る「定住自立圏構想」を策定。260326.jpgそのなかで、刈谷豊田総合病院は地域の基幹病院として位置づけられている。病床数は627床、診療科は19科。設立当初からの“この病院で社会に少しでも貢献する”という想いは、今も変わらない。母体は刈谷市・高浜市・トヨタグループ8社で運営される医療法人豊田会。関連施設には療養型の2病院、介護老人保健施設などがある。

Episode 02 /

先進医療を提供する一方、
それを支える“病診”間のネットワーク構築にも尽力。

260420.jpg 刈谷豊田総合病院の特色は、最新医療に対応できる病棟建設と医療機器の整備を積極的に行ってきた点にある。平成23年2月には新たに最新鋭の中央棟が完成し、12室の最先端機能手術室と7室の内視鏡センターを開設した。特に力を入れているのは患者に優しい低侵襲手術である。平成16年に腹腔鏡下手術を外科に積極的に導入して以来、現在までの腹腔鏡下手術件数は6065例にまで達し、平成23年では1056例の腹腔鏡下手術を行い、東海地区第一位の手術件数を誇る病院となった。胃癌、大腸癌に対しても積極的に腹腔鏡下手術を行っているが、鼠径ヘルニア(脱腸)に対する腹腔鏡下ヘルニア修復術(ラパヘル)は年間350例を超え、東京、九州、大阪などの遠隔地からも患者が来院するようになり日本一の手術件数を誇っている。
 世界初の新しい内視鏡外科専用手術室には、光ファイバーによるフルハイビジョンの高精細な双方向映像送信システムと、手術の進行に応じてLED照明を変化させる最新鋭機能を搭載した。これらの機能により難易度の高い手術を安全に行うとともに、患者には優しい手術環境が構築された。双方向映像送信システムは手術画像・音声を双方向に送信でき、難易度の高い手術を、離れた場所にいる若い外科医が手術に立ち会わなくても習得できる最新教育システムである。手術映像を利用した勉強会にも活用でき、院内の外科系医師の手術技術のレベルアップに大きく貢献している。
 さらに、手術映像および院内各所を同時に映し出せる中央監視システムを、中央棟内の画像統合管理室に設置し、東南海地震などの大規模災害時には映像によるトリアージ、迅速な対応と治療を可能とする集中コントロールステーション機能も搭載した。
 また、緩和医療においては、現在進行する新2棟整備計画で新たに緩和ケア病棟の開設も検討中。一方、救命救急でも、今年3月終了の救命救急センターの改修工事により、救命救急・ICUを18床から26床へと増床させる予定だ。
260518.jpgう一つの特色が、急性期から在宅までを繋げた“シームレスな継続ケア”のコアとして機能している点だろう。前述の関連施設、さらに近隣の医療機関、地域の介護事業所との関係を積極的に深め、互いの特性を活かした役割分担により、急性期から在宅までのケアを切れ目なく提供している。「めざすのは、病院の医師と診療所の医師とが“ツーカーの仲”になること」と言う鈴木克昌病院長。医局の先輩・後輩という旧来の縛りや繋がりだけに捉われず、地域の医療機関と新たなネットワークを築き、これに電子カルテの共有などITをうまく組み合わせ、急性期から在宅までを繋げた、質の高い地域医療体制を作り上げようとしている。

Episode 03 /

広域にわたる診療圏が県下最多という膨大な救急搬送を生む問題も。

260345.jpg だが、現実には難しい課題もある。平成23年4月には救命救急センターの指定を受け、現在は年間約5万人の救急受診者に対応、救急車受入数は9000台を超える。定住自立圏域3市1町のなかで、救急医療を積極的に行っている医療機関が刈谷豊田総合病院のみのため、その数が膨れ上がってしまった。
 一方で、定住自立圏構想は、地域住民に定住を促し、老後の安心した暮らしを支えるのが狙い。地元企業の勤労者の多くが老後も定住すれば、今後の高齢者の大幅な増加は避けられない。壮年期とは疾病構造が違う高齢者の方たちを、介護を含めどう支えるか。その対策も危急の課題となりつつある。



Episode 04 /

民間の自由度を活かし住民と職員がともに喜べる理想の病院像をめざす。

18215.jpg しかし、鈴木病院長の表情は明るい。優先順位の高い医療分野への集中投資が功を奏し、『週刊ダイヤモンド』医療特集「頼れる病院」(11年10月29日号)の全国民間病院ランキングで、東海三県下の病院で唯一トップ10入りを果たすなど、各メディアから注目される存在となった。「自分の技術を磨きたい」「新たな知識を吸収したい」。今や病院には高い志を持つ医師や看護師が、全国各地から集まるようになり、なかには北海道から入職を希望する医師もいるほどだ。現状では最新のがん治療や広域の救命救急を担う人材が、十分に確保できているとは言えないが、最先端医療への投資が優秀な医療従事者を集め、さらに質の高い医療の提供へと繋がり、また良い人材が集まるというサイクルができつつある。
 「今後は“医療職に選ばれる環境”をさらに整備し、地域で完結できる高度な連携の実現を図ります。そのためにも、地域住民の方々にかかりつけ医を持つ大切さを伝えたい。理想はすべての方々にかかりつけ医を持っていただくこと。そうなれば、住民の方々がいつでも安心して暮らせる地域医療を提供できるはずです。地域医療福祉ネットワークのコア病院として、“日本一安心して暮らせる地域”をめざしていきます」と鈴木病院長は語る。
 そのために欠かせないのは、職員間の“和”と“コミュニケーション”。継続的な質を担保した医療を提供し、地域住民の皆さんから「刈谷豊田総合病院がここにあって良かった」と思われ、職員からも「この病院で勤務できて良かった」と思われる病院へ――。刈谷豊田総合病院は、こうした理想の姿をめざし、今後も奔走し続ける。


COLUMN /

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●トヨタ系企業の工場が立地するなど、産業・生活面で密接な関係を持つ刈谷市、高浜市、知立市、東浦町の3市1町が共同し、それぞれの地域の特性を活かしながら、密接に連携を図ることを目的とした「定住自立圏構想」。医療・観光・教育・交通などのネットワークを強化しながら、圏域で生活する住民が安心・快適さを感じ、郷土への魅力や誇りを育みながら、豊かに暮らすことができる地域づくりをめざしている。

●この定住自立圏構想の中心となるのが人口約14・5万人を有する刈谷市。刈谷豊田総合病院は、この圏域の中核医療機関として地域医療福祉ネットワークの中心的な役割を果たす。年間約9000件の救急搬送のうち、半数以上が刈谷市以外となるなど、名実ともに自治体の枠を超えた広範囲の医療を支えている。

BACK STAGE /

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生活者の快適な暮らしを守るためには、急性期から在宅介護までをうまく繋ぎ、継続的なケアを行うことが必要だといわれる。ただ、こうした「シームレスな継続ケア」を実践しようにも、医療保険と介護保険との違い、それぞれの担い手の違いが大きな壁となり、双方が分断されてしまうことが多い。しかも、こうした背景は医療・介護を受ける生活者には分かりにくいのが実情だ。

●医療と介護との壁を取り除くため、刈谷豊田総合病院では、地域の介護領域のキーパーソンであるケアマネジャーとの関係構築にも力を入れる。院内のリハビリテーションスタッフと地域のケアマネジャーが集う「刈谷地域リハ・ケアネットワーク作りの会」という勉強会を定期的に開催し、退院後の患者の生活を見据えて専門家たちが熱心に議論を交わす。医療分野だけでなく介護までの継続ケアを実践する刈谷豊田総合病院のこうした取り組みは、今後の地域医療のあり方を模索するうえで、他の地域においても非常に大きな意味を持つといえそうだ。


ACCESS /

刈谷豊田総合病院
〒448-8505 刈谷市住吉町5丁目15番地
TEL 0566-21-2450(代表)
http://www.toyota-kai.or.jp/LinkIcon