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救命救急センターの機能を追求しつつ、地域の幅広い医療ニーズに応える。

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Episode 01 /

愛知県下の民間病院として初めて、救命救急センターに指定される。

10102.jpg 総合大雄会病院は「急性期を担う病院として信頼される存在でありたい」という考えから、早くから尾張西部医療圏の救急医療に取り組んできた。とくに増え続ける脳神経系疾患に対応すべく、1997年「脳卒中センター」を開設。以来、夜間・休日を問わず、脳神経外科医が24時間365日常駐し、脳神経系疾患全般に幅広く対応している。一分一秒を争う脳卒中治療のなかでも、脳梗塞は発症まもなく救急搬送され、適用条件を満たせば、特効薬である血栓溶解薬(t-PA)を投与することで機能障害を最小限に食い止めることができる。“時間との勝負”と言われるt-PA治療が安全にできるのは、24時間365日の専門医常駐体制、ICUでの集中管理体制があってこそであり、救急隊や地域住民の信頼を集めている。
 こうした救急医療の実績を長年にわたりコツコツと積み重ねた延長線上で、2010年4月、救命救急センターの指定を受けた。これは愛知県下における民間医療機関としては、初めての三次指定である。救命救急センターは二次医療機関では対応できない脳卒中、心筋梗塞、多発外傷、熱傷などの重篤な救急患者に高度な医療を総合的に提供する施設だ。
 この指定を受けるために、同院ではより万全な体制で重篤な救急患者を受けられるように、病院の南館を全面改修。ER室(救急初療室)、集中治療センター(ICU・HCU)、ヘリポートを拡充すると同時に、専用エレベーターを設置。地下1階の検査室(320列CT、MRI、血管造影室)から2階の集中治療センター、3階の中央手術部を最短距離の動線で結ぶことで、常時速やかに手術・治療のできる体制を整えた。さらに、ER室内に64列マルチスライスCT装置を配し、迅速な診断を可能にしている。

Episode 02 /

民間の限界に挑戦し、限られた医療資源で最大の体制を整備。

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 同院の三次救急体制の整備は、ハード面だけではない。愛知医科大学救急科の協力を得て、救急専門医が24時間365日常駐しているほか、内科系医師、外科系医師、麻酔科医も同様に常駐している。もちろん、血管撮影や心臓カテーテル検査などに携わる診療放射線技師、エコー検査などを担当する臨床検査技師も常駐する体制だ。
 一般に、夜間の救急外来では初期診療を研修医に任せるところが多いが、同院では熟練した救急専門医師が中心となり全身的に診て、病状に応じて内科系や外科系の専門の医師へ引き継ぐ。診断・トリアージ機能(重症度を判断し、速やかに専門医へ繋ぐ機能)のレベルは非常に高い。緊急手術が必要と判断された場合は、すぐさま麻酔科医がチームに加わり、手術からICUでの人工呼吸、血液浄化を含む集中治療管理まで担う。この体制は深夜であっても、正月休みであっても揺らぐことはない。どんな緊急手術にも麻酔科医が必ずスタンバイできることは、手術の安全性、術後の患者管理の安全性を約束する上で重要なポイントとなる。
 こうした先進の体制整備には当然、財政負担が伴う。公立医療機関のように公費補助が投入されない民間病院にとって大きな決断が必要だったと言えるだろう。「当院が三次救急の高度な機能を持つことで、この地域により強固な救急医療ネットワークを作りたいと考えました。医療スタッフの確保に奔走するなど、心血を注いで救命救急センターを作った経緯があります」と、総合大雄会病院の伊藤伸一院長は振り返る。

Episode 03 /

幅広い救急医療ニーズに高度な水準で応えていく。

103116.jpg 同院が三次指定を受けたのと時期同じくして、同じ地域の一宮市立市民病院もまた救命救急センターの指定を受けた。これにより、尾張西部医療圏には2つの救命救急センターが完備され、生命の危険に関わる緊急性の高い疾患を引き受ける体制が一気に充実した。が、その半面、順調に運営されてきた二次救急医療体制において予想外の不備が出てきた。それまで尾張西部医療圏では、一宮地区と稲沢地区にわかれ、それぞれ病院群輪番制方式により二次救急にあたっていた。しかし、一宮地区において、一宮市立市民病院と総合大雄会病院が三次指定を受けたことにより、この地域の二次輪番制で中心的病院であった両院がもし二次輪番から外れたとしたら、輪番制が機能しなくなってしまう。そこで両院とも、三次救急機能を備えながらも二次輪番制を維持した体制で、現在幅広い救急疾患に対応している。
 「結局、救命救急センターの本来の使命である三次救急に特化するだけでは、この地域の医療ニーズに対応できない、ということですね。今は救急医療を必要とするすべての患者さまを受け入れる方向へ軌道修正しながら、当院だからできる高度医療を追求しています」と、救命救急センターを率いる今井 秀筆頭副院長は語る。
 「大雄会に行けばなんとかしてくれる」。そんな市民の声に最大限のパフォーマンスで応えていく。そのためには救急医療機能をさらにパワーアップしなくてはならない。限られたマンパワーを効率的に活用するため、同院では救急患者を搬送患者と独歩患者に分け、独歩で受診に来た患者のファーストタッチを看護師が担うトリアージ体制を強化。訓練を積んだ看護師たちが患者の緊急度、重症度を見極め、適切な医師へ引き継ぐことで救急患者の増大に対応している。


Episode 04 /

病院の原点を見つめ、地域保健医療ネットワークを構築していく。

103127.jpg 救命救急センターとしての三次救急医療機能を追求しつつ、二次などもカバーする。病院の負担がさらに増したのではないだろうか。「確かに少ない人員で運営しているので負担はあります。しかし、今回の軌道修正は、むしろ、患者さまや地域が当院に何を求めているかということを見直す良いきっかけになりました」と今井筆頭副院長は語り、「今こそ原点回帰です」と続けた。
 原点回帰、それは同院がずっと志向してきた「患者のニーズに応えた、地域医療ネットワークの構築」を改めて見つめ直し、強化していくことにほかならない。たとえば今後は、三次医療機関同士の連携も重要となる。「三次医療機関が二つあるから、一方に患者が集中しないメリットがあります。それをさらに進化させ、お互いの得意分野を活かした連携が組めれば理想的」だと今井筆頭副院長は語る。また、診療所との連携では、「熟練の救急専門医が常駐している強みを活かし、初期診療で確実にトリアージして、必要に応じてかかりつけ医での継続治療をお願いするような役割分担を強めたい」考えだ。さらに、法人内に数々の在宅支援施設を有する大雄会では、急性期を脱した患者を在宅へ帰す体制も整っている。実際、同院に救急搬送された後、急性期・回復期治療を経て、法人内の老人保健施設で療養し、在宅復帰したケースも数多い。三次救急から在宅まで、地域住民のニーズに応じて包括的なライフケアサービス(医療・福祉・保健)を提供できる総合力をベースに、同院は地域保健医療連携ネットワークの中核病院として力強く歩んでいこうとしている。


COLUMN /

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●大雄会は、2012年4月、愛知県知事より社会医療法人の認定を受けた。社会医療法人とは、医療法人の新しい区分の一つ。民間病院でありながら、公益性の高い医療を担っており、かつ透明性のある経営であることが認定条件となる。この制度ができた背景には、自治体病院の弱体化がある。公益性の高い医療については今まで自治体病院が中心になって行ってきたが、医療基盤が脆弱化し、今後も自治体病院に依存していくことが難しくなってきたのだ。

●大雄会が社会医療法人の認定を受けたのは、救急医療をはじめとした公益性の高い医療に精力的に取り組んできた実績が認められたものであり、今後さらに公益性の高い医療を推進していく決意表明でもある。大雄会は社会医療法人として、医療・福祉・保健の幅広い分野での地域貢献をめざしている。

BACK STAGE /

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●救急医療は不採算部門だとよく言われる。実際、夜間の当直人件費などが重荷となり、やむなく救急から撤退する病院もある。2012年度の診療報酬改定で救急医療に重点配分はされたものの、救急分野に対する報酬上の評価はまだまだ低く、経営を支えるまでには至っていない。救急患者の入院治療を行うことでようやく採算が取れるのが現状だ。

●不採算であることは、民間病院も自治体病院などの公的病院も同じ状況である。しかし、公的病院の場合、市町村で負担する繰入金(税金)で補填できる仕組みによって支えられている。救急医療機関は官民の違いにかかわらず、あまねく地域に必要な医療資源である。より均一に財政支援をするように、国の医療政策にも見直しが必要なのではないだろうか。


ACCESS /

総合大雄会病院
〒491-8551 愛知県一宮市桜一丁目9番9号
TEL 0586-72-1211(代表)
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